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ジャガー・ランドローバーのスペシャル・オペレーションズ部門、全く新しい「Eタイプ・ライトウェイト」を発表

公開日:2014/09/01 16:30

※本資料はジャガー・ランドローバー・UK社が発表したプロダクト・インフォメーションの参考翻訳です
2014年9月1日
(日本語訳発行日)

ジャガー・ランドローバーのスペシャル・オペレーションズ部門、全く新しい「Eタイプ・ライトウェイト」を発表

■ジャガー・ランドローバーのスペシャル・オペレーションズ部門は、全く新しい「Eタイプ・ライトウェイト」を発表。ブラウンズレーン工場の新施設で、最高水準のスキルをもつジャガーの職人が手作業で製造
■「Eタイプ・ライトウェイト」は、ジャガー・ランドローバーのスペシャル・オペレーションズ部門の事業ユニットであるジャガー・ヘリテージ・チームが手がける再生・生産プロジェクトの第1号モデル
■新たに製造する「Eタイプ・ライトウェイト」はわずか6台。各車両には、1963年に「スペシャルGT Eタイプ」プロジェクトで計画されていた18台に割り当てられたまま使用されることのなかった残りの車体番号がつけられる。18台中、当時、製造されたのは12台のみ
■ブラウンズレーン工場に新設されたジャガー・ヘリテージ・チームの作業施設(ワークショップ)で、ジャガー車の修理保証サービスのほか、クラシック・モデルのレストア(修復・修理)を担当
■「Eタイプ・ライトウェイト」を再生・生産する上で、ジャガー・ヘリテージ・チームは、世界に誇るアルミニウム・ボディ構造をはじめとする、ジャガーならではのエンジニアリングとデザイン技術を採用
■ボディシェルのほか、ドア、トランクリッド、ハードトップ、ボンネットもアルミニウム製にし、厳格な基準に従って製造
■オリジナル「Eタイプ・ライトウェイト」のパワーユニットを正確に踏襲した「XK」の6気筒エンジン、アルミブロック、アルミ製の「広角」シリンダーヘッド、ドライサンプ式潤滑システムを採用
■6台はヴィンテージカー競技用車両として販売され、ヒストリック・モータースポーツでの使用を目的とした国際自動車連盟(FIA)の認証も取得可能
■12台の「Eタイプ・ライトウェイト」が、ブラウンズレーン工場でジャガーのレース部門によって製造されている。11台は1963年に、最後の1台は1964年に製造
■「Car Zero」と呼ばれる「Eタイプ・ライトウェイト」のプロトタイプはすでに完成しており、8月14日に行われた、世界で最も格式の高いクラシックカーのイベント「ペブルビーチ・オートモーティブ・ウイークエンド 2014」のオープニング・レセプションで初公開

「スペシャル・オペレーションズ部門の使命は、車に精通しているお客様や愛好家の皆様の、過去のモデルも含めたジャガー車に対する熱い思いにお応えすることです。それがジャガー・ヘリテージ・チームの存在理由であり、『Eタイプ・ライトウェイト』の再生・生産プロジェクトが信じがたいほどエキサイティングである理由といえます。

『Eタイプ』はジャガーの象徴であり、『Eタイプ・ライトウェイト』は最も望まれている価値ある車です。最後の車両が製造されてから50余年の歳月を経て、当初計画していた18台を遂に完成させることができるのです。この機会を逃すわけにはいきません。」
ジャガー・ランドローバー スペシャル・オペレーションズ部門マネージング・ディレクター
ジョン・エドワーズ

要旨

ジャガーは新たに6台を製造・販売する「Eタイプ・ライトウェイト(Lightweight E-type)」のプロトタイプを公開しました。

ジャガーは2014年5月に、6台の「Eタイプ・ライトウェイト」を新たに再生・生産すると発表しました。製造は、ジャガー・ランドローバーに新設されたスペシャル・オペレーションズ部門の事業ユニットであるジャガー・ヘリテージ・チームが担当します。

6台は、1964年に製造された最後の「Eタイプ・ライトウェイト」のオリジナル仕様に忠実に従い、その誕生の地、英国コベントリーにあるジャガーのブラウンズレーン工場にて、手作業で作られます。ヴィンテージカー競技用車両として販売し、ヒストリック・モータースポーツでの使用を目的とした国際自動車連盟(FIA)の認証を取得することも可能です。

新たに製造されるのは、1963年2月に始動した「スペシャルGT Eタイプ」プロジェクトにおいて、当初計画されていた18台のうち、生産されなかった「幻の6台」です。アルミニウム・ボディの「Eタイプ・ライトウェイト」は12台完成していましたが、残り6台に関しては、割り当てられた車体番号が現在まで使用されずにいました。今回製造される6台には、これら「Eタイプ・ライトウェイト」のオリジナル車体番号がつけられます。

「Eタイプ・ライトウェイト」は、レース参戦期間が短かったにも関わらず、様々な有名ドライバーが勝利を収め、世界的名声を獲得しており、現在、そのオリジナル・モデルには何百万ポンドもの値が付けられています。今回、「Eタイプ・ライトウェイト」の再生・生産プロジェクトを始動するにあたり、ジャガー・ヘリテージ・チームは、最高水準のスキルと経験を持つ多くの才能豊かなエンジニアや技術者を、社内の様々な部門から召集しています。

誰もが、このユニークなプロジェクトへの参画に飛びつきました。なかには、新車として製造・販売していた当時の「Eタイプ」と間接的なつながりがあった者もいます。例えば、1960年代初めまで遡のぼると、祖父母、父親、叔父と合わせ、計170年もの間ジャガーで勤務していることになるという、ある熟練の技術者もいます。

この再生・生産プロジェクトには膨大な専門的ノウハウや注目が注がれました。新しく作る6台は、当時の仕様に忠実な正真正銘本物の「Eタイプ・ライトウェイト」であるというだけでなく、ジャガーのリソースを最大限活用し、最高の品質基準に従って製造されます。

6名の選ばれたオーナーは、希少価値の高い車を手にするということになります。ブラウンズレーン工場にて手作業で作られる全く新しい「Eタイプ・ライトウェイト」は、オリジナルの12台と同様の魅力を備えています。

「このたび、ブラウンズレーン工場に新しいワークショップがオープンし、お客様の車のレストアやアフターサービスができるようになりました。ジャガー・ヘリテージ・チームは、ヴィンテージカー競技用車両『Eタイプ・ライトウェイト』を、細部まで忠実に再現します。こうした車作りは、チーム内に独自の技術があることの証となります。同じ技術を、現存するジャガーのクラシックカーのお客様のためにも使えるようになったことに、ジャガー・ヘリテージ・チーム一同、心を躍らせています。」
ジャガー・ヘリテージ・ビジネス担当ディレクター、デレク・ウィール


「Eタイプ・ライトウェイト」プロジェクト概要


■エンジニアリング

<ボディシェル>
「Eタイプ・ライトウェイト」の核となるコンポーネントはアルミニウム製ボディシェルです。量産型「Eタイプ」に使用していたスチールの代わりにアルミニウムを採用し、標準モデルと比べ、114キロ(250ポンド)もの軽量化に成功しています。

今回新たに製造する6台の「Eタイプ・ライトウェイト」と、厳格な基準に従って作っている「Fタイプ」や「XJ」といった現行モデルとの間には、50年もの空白があるにも関わらず、アルミニウム構造を採用しているという点で共通しています。事実、ジャガーは現在、アルミニウム・ボディの車両製造において世界のトップメーカーであり、量産車にアルミニウム技術を応用するという比較的新しいこの分野においてもリードしています。

そのため、「Eタイプ・ライトウェイト」のアルミニウム・ボディを再生するという任務が課されても、ジャガーの現エンジニア・チームは、先人達が50年前に何を成し遂げたのかをすぐに理解することができたのです。しかしながら、1960年代初頭から、技術は大幅に進歩しているにも関わらず、「Eタイプ・ライトウェイト」には最新の材料や固定方法は取り入れていません。高強度アルミニウム合金や接着接合構造は人目に触れないとはいえ、それらを使えばオリジナル・デザインに忠実でなくなり、また、国際自動車連盟(FIA)のヒストリックカー競技で使用するための認証要件にも適合しなくなってしまいます。

その代わりに、「Eタイプ・ライトウェイト」のオープントップの2シーター・ボディを構成するコンポーネントについては、最高品質でありながら、これ以上ないほど忠実に再現するために、最新のスキャン技術を用いて、ボディシェルの内外をデジタル・マッピングするなど、今日における先進技術を投入しています。

ジャガーの技術者たちは、ミリにも満たない単位まで寸法やフォルムを記録した大量かつ詳細なスキャンデータに基づき、1960年代にボディがどのように組み立てられていたのか、ボディ構造は各個体間でどれくらい一貫性があったのか、また、「Eタイプ・ライトウェイト」プロジェクトで最高品質を実現するために、現在ならどのようにボディを開発することができるのかを検証しました。

このデジタル・キャプチャリングのプロセスを通じて、ジャガーのエンジニア・チームは、「Eタイプ・ライトウェイト」のボディに使用されている230点にものぼる個々のコンポーネントについて把握することができます。また、コンポーネントの形状を最適化した上で、英国ホイットリーにあるジャガーのエンジニアリング・センターの工機部門にデータを送るため、構造内の見えないパネルでさえも、忠実に再現できるのです。そして、絶対的な対称性を確保するために、スキャンされたボディの片側をデータとして利用し、これを「反転」して、ボディのもう片側に全く同一の条件を作り出しました。

加えて、CADでスキャンしたアウターパネルのクラス「A-サーフェス」データを、まずジャガーのデザイン部門に転送し、そこでサーフェス・ジオメトリを最終決定しました。このような作業をすることで、新しいボディ・パーツの大部分を製造する工程が、可能な限り正確性を保つことができるのです。

パネルのおよそ75%はホイットリーで自社生産していますが、大型のプレスパネル数種類のみ外部の専門業者に依頼し、ジャガーが設計した工作機械を使用して製造されます。下部構造やサーフェス・パネルの両方に使用しているアルミニウムのグレードは、1963年に作られたオリジナルの「Eタイプ・ライトウェイト」に使用したものと機械的特性においてはほぼ同一です。ボディは、オリジナルの「Eタイプ・ライトウェイト」のシャシーNo.12の状態に合わせ、当時と同じように、ボディシェルの重要部分に補強構造を追加して仕上げます。アルミニウム・ボディは、アルミニウム製ボンネット、ドア、トランクリッドを取り付けて完成します。なお、オリジナル仕様と同様、アルミニウム製ハードトップを標準で装備します。

ホワイトボディ用の工作機械の開発は、ジャガー・ランドローバーの全プロトタイプ車両を製造する部門が担当し、世界中で通用する専門的なノウハウをこのプロジェクトにも活用しています。「Car Zero」は製造工程や組み立て手順を証明するためのエンジニアリング用プロトタイプのため、幻の6台に付与する予定の車体番号は割り当てあられません。

エンジニア・チームは、「Eタイプ・ライトウェイト」プロジェクト用に、ジャガーの新型車の開発段階で使用した型式が記載されている「グレイブック」を制作しました。この社内文書により、ボディシェルの組み立てと仕上げにおいて求められる品質基準を規定し、新しく製造される6台の「Eタイプ・ライトウェイト」の品質における一貫性を確保します。

ロールケージは標準で装着し、ボディには取り外し可能なフロント・エクステンション用取り付けポイントを追加装備しています。さらに、ヒストリックカー競技での使用を想定し、FIA(国際自動車連盟)認証を取得可能な形式で「Eタイプ・ライトウェイト」6台を製造します(詳細は主要諸元を参照)。


<エンジンおよびパワートレイン>
オリジナル仕様の「Eタイプ・ライトウェイト」では、「XK」の直列6気筒高出力エンジンを搭載していました。チェーン駆動式ダブル・オーバーヘッド・カムシャフト(DOHC)にアルミニウム・ヘッドと半球型燃焼室を備えたこのエンジンが最初に登場したのは、「XK120」に搭載された1948年まで遡りますが、1963年当時でも非常に先進的でした。

このエンジンが、1950年代に「Cタイプ」と「Dタイプ」に搭載され、ル・マン24時間レースで5度の勝利に導きました。「Eタイプ・ライトウェイト」用エンジンは、「Dタイプ」に搭載され1957年にル・マン24時間レースで優勝を飾った3,868cc(236cu in)のエンジンをベースにしています。また、類似の大バルブを備えた「広角」シリンダーヘッドを使用し、「Dタイプ」の鋳鉄製ブロックに代わってアルミニウム製ブロックを導入しフロント・ホイールへの重量を大幅に削減しました。これは、圧入鋼製ライナーとともに、昨今の車両と比較しても、大きな特徴といえます。

「Dタイプ」から受け継がれたもうひとつの大きな特徴は、ドライサンプ式潤滑システムです。このシステムはスカベンジ・ポンプを使ってオイルパンからオイルを集め、ボンネットの下にあるオイルタンクに戻すものです。これにより、高速コーナリング中のオイルの片寄りを解消し、エンジンのベアリング類を痛めるリスクを排除するとともに、より大量のオイルを使用することが可能になります。

圧縮比は10:1で、ウェーバー製の3連キャブレター45DCO3を装備します。これらは、ルーカス製の機械式燃料噴射装置に加え、ジャガーが「Eタイプ・ライトウェイト」用に認証したもので、追加装備オプションとしてお客様に提供する予定です(Car Zeroには装着)。エグゾースト・マニホールドはスチールを加工したもので、排気ガスをツインパイプの中に誘導した後、センター・サイレンサー・ボックスを経由して後部へ流し、最終的に排気システムはポリッシュ仕上げのツインテール・パイプで完結します。

キャブレターとフューエル・インジェクション、どちらの仕様でも馬力は300bhpを超えます。トルクは4500rpmで380Nm(280lb ft)を発生し、比較的低い回転域からクイックに加速します。これは、ジャガーのレーシング・エンジンの伝統的特徴でもあります。

電気系統には12ボルトのマイナス・アース仕様が使われ、エンジンは、現代的なイナーシャ式スターターモーターの恩恵を受けています。ラジエーターは、オイル用、冷却水用ともにアルミ合金製で、冷却剤用にアルミニウム製エクスパンション・タンクを備えています。燃料タンク内は安全性を考慮し、メッシュで埋められています。

当時の「Eタイプ・ライトウェイト」と同様に、低慣性の軽量フライホイール、シングルプレート・クラッチ、そしてクロスレシオのジャガー製4速フルシンクロメッシュ式マニュアル・ギアボックスを通じて、パワーが路面に伝達されます。バラエティに富んだ最終ギア比が選択でき、どれもPowr-Lokリミテッド・スリップ・ディファレンシャルを装備していますが、標準のギア比は3.31:1となります。


<サスペンション、ステアリング、ブレーキ>
当時のレース慣行に従い、ダブルウィッシュボーン式フロント・サスペンションと、ワイドベース・ウィッシュボーン式独立懸架リア・サスペンション(ドライブシャフトがアッパーリンクとして機能)が採用しています。フロントのトーションバー・スプリングとリアの4つのコイルスプリングは、改良型ショックアブソーバーによって制御されます。

ステアリング・システムには、標準モデルの「Eタイプ」の優れたラック・アンド・ピニオン式を、ステアリングホイールには伝統的なウッドリムを採用しています。ブレーキは、12.25インチの大径ディスクをフロントに、標準モデルと同じものをリアに装着しますが、ブレーキサーボはありません。

オリジナル同様、15インチ径のホイールは鋳造マグネシウム合金製で、‟パーフォレイティッド(穴開き)”スタイルです。リム幅はフロントが7インチで、リアが8インチです。ダンロップ製のレーシング・タイヤを装着し、フロントが6.00セクション、リアが6.50セクションで、どちらもCR65のコンパウンドを使用しています。


<最終組み立て>
モノコック・ボディシェルは、ホイットリーで組み立てられます。ボディシェルに管状のエンジン・サブフレームが組み合わせられ(オリジナルの「Eタイプ・ライトウェイト」と同じくガセットで補強)、その後、ジャガーのゲイドン工場に運搬、塗装が施されます。そして、このゲイドン工場からブラウンズレーン工場に運ばれ、ジャガー・ヘリテージ・チームによってパワートレイン、サスペンション、ブレーキ、ステアリング、電装系部品、インストルメントパネル、ソフトトリムが取り付けられます。

この工程は、1963年から1964年にかけて、オリジナルの「Eタイプ・ライトウェイト」が組み立てられた場所にほど近い専用の施設で行われます。また、作業は、これまでジャガー・ランドローバーの極めて複雑なプロトタイプの製造に携わってきた、高度なスキルを持った技術者が手がけます。

この段階で、パーソナル・コンサルタントがお客様に希望を伺い、各車の最終仕様を決定します。同じ車は2つとありません。

「Car Zero」は、ゲイドンにあるジャガー・ランドローバーのテストコースで15日間にわたってシェイクダウンを行い、車のダイナミクスで満足のいく結果をだし、最適なサスペンションのセッティングを規定しました。このシェイクダウンには、ジャガーのビークル・インテグリティ担当チーフ・エンジニアであるマイク・クロスも参加しています。ジャガーのエンジニア・チームは、新型モデルの時と同様、「Eタイプ・ライトウェイト」専用の「デザイン検証計画」も策定しています。新たに生産される6台の「Eタイプ・ライトウェイト」は、それぞれシェイクダウンし、ブレーキング、ハンドリング、ステアリングの面で求められる基準を確実に満たしているかどうかが検証されます。

「ジャガーが、スポーツカーで目標としていることは、常に、ドライバーからのあらゆるインプットに対しても車が瞬時に、そして機敏に反応できるようにすることです。それは『Eタイプ・ライトウェイト』でも同じです。ステアリング、ブレーキ、スロットルのインプットに対する反応の即時性こそが、『Eタイプ・ライトウェイト』から聞こえてくる音と相まって、ドライバーにとって魅力あるマシンになるのだと思います。」
ジャガー・ビークル・インテグリティ担当チーフ・エンジニア、
マイク・クロス


<デザイン>
ジャガーの先進的なデザイン・スタジオは、早い段階からこのプロジェクトに関わってきました。使用素材だけでなく仕上げの種類や色の選定とともに、新しい車のトリムを適切なレベルに作り上げる作業を担当してきました。

「『Eタイプ・ライトウェイト』プロジェクトに関して、私たちデザイン・チームが重視したのは、創業者のウィリアムズ・ライオン卿とエアロダイナミクスの専門家であるマルコム・セイヤーが作り上げた持ち味を正当に発揮させることでした。この車を再生・生産するにあたり、現代のジャガー車同様、細部に至るまで細心の注意を払って取り組んでいます。その結果、オリジナル・モデルが新車だった時代と同様、新しい『Eタイプ・ライトウェイト』も衝撃的に素晴らしい車になると確信しています。」
— ジャガー デザイン・ディレクター、イアン・カラム

1960年代のジャガーに使用していたレザーと同じ仕様で生産される、ジョナサン・コノリーが供給するコノリー・レザーを、競技タイプのアルミニウム製バケットシートの座面のトリムに採用しています。センターコンソールのカバーリングにも本革レザーを使い、トリムカラーは7色から選ぶことができます。

あらゆる面で軽量化が求められるGTカーのサラブレッドにふさわしく、インテリア・トリムは最小限にとどめていますが、お客様の要望に応じてさらにトリムを施した車にすることもできます。また、ジャガーの担当チームがオーダーメイドのトリム・パッケージを考案することも可能です。これらに含まれるのは、ドアトリム、ハードトップ用のヘッドライナー、取り外し可能なサドルレザーの特注フロアマット、トランスミッション・トンネル用カバーです。

プロトタイプ「Car Zero」のインテリアの大部分(フロアパネル、シル、リア部分)は、アルミニウムのボディワークを強調するために、意図的に塗装をしないままにしてあります。

デザイン・スタジオは、お勧めのエクステリア・カラーとして、「カーマイン・レッド」、「オパールセント・グレイ・メタリック」、「シルバー・メタリック」、「オパールセント・ブルー・メタリック」、「ブリティッシュ・レーシング・グリーン」、「オ-ルド・イングリッシュ・ホワイト」という、6色のヘリテージ・カラーを選定しましたが、カラーやトリムにはそのほかにも多彩な選択肢が提供されます。「Eタイプ・ライトウェイト」は、お客様の要望に応じてパーソナル仕様で作られるため、お客様はジャガーのデザイン・ディレクターのイアン・カラムと直接、オプションについて話し合いながら決めることができます。

なお、「Eタイプ・ライトウェイト」の再生・生産を記念して、ジャガーは英国新鋭の本格機械式時計メーカー、ブレモン・ウォッチ・カンパニー(Bremont Watch Company)とのパートナーシップも強化策を発表しました。ブレモン特注の「Eタイプ」ウォッチを6本製作し、各「Eタイプ・ライトウェイト」のお客様に提供します。
以上


エディターズ・ノート
■「Eタイプ」は、1961年から1975年にかけて、わずか72,500台程度生産された車
■「Eタイプ・ライトウェイト」は、ジャガーのレース部門が1963年により製造された(1台は1964年に納車)。計12台が完成しており、うち11台が現存していると考えられる。
■「Eタイプ・ライトウェイト」は、多数のオプションを装着した「標準的な」ロードスターの「Eタイプ」としてGTレース出場のための認証を取得。オプションは車両ごとに異なるが、主な改造点は、オールアルミニウム製モノコックボディ、アルミニウム製ボディパネル、アルミブロック、アルミ製広角シリンダーヘッド、ドライサンプ式潤滑システム、燃料噴射装置を採用した3.8リッターXKエンジン、そしてアルミニウム製ハードトップ。車台番号はすべて「S」から始まる
■「Eタイプ・ライトウェイト」は、グラハム・ヒル、ジャッキー・スチュワート、ロイ・サルヴァドーリ、ブリッグス・カニンガムらをドライバーに迎え、当時のレースに参戦。現存する「Eタイプ・ライトウェイト」は、歴史的に重要なモータースポーツ・シーンにおいて、上位を占める常連として活躍
■ジャガー・ランドローバーに新設されたスペシャル・オペレーションズ部門は、高性能な特別仕様車、オーダーメード・モデル、ヘリテージ製品、ブランドグッズのデザインおよび製造を担当。新しく製造される「Eタイプ・ライトウェイト」は、ジャガー・ランドローバーのスペシャル・オペレーションズ部門の事業ユニットであるジャガー・ヘリテージ・チームが手がける再生・生産プロジェクトの第一弾
■英国コベントリー・ブラウンズレーンの歴史的な場所に完成したジャガー・ヘリテージの新しいワークショップでは、ジャガー車の修理保証サービスを提供するほか、ジャガーのクラシック・モデルのレストア(修復・修理)も担う。お問い合わせ先は+44 (0)203 6011544。


「Eタイプ・ライトウェイト」主要諸元*

■エンジン・システム
エンジン:アルミニウム製6気筒シリンダーブロック、広角シリンダーヘッド、ドライサンプ式潤滑システム、低慣性軽量フライホイール
総排気量:3,868cc
ボア/ストローク:88.0mm(3.46in)/106.0mm(4.17in)
バルブ:2バルブ/気筒、DOHC
圧縮比:10:1
キャブレター:ウェーバー製3連キャブレター45DCO3
噴射装置(オプション設定):ルーカス製機械式燃料噴射装置、バタフライ付き158.7mmトランペット
クランクシャフト:鋼製、H断面鋼製コンロッド
最高出力:340hp/253.5kW@6500rpm
最大トルク:380Nm/280lbs ft@ 4500rpm
燃料タンク:メッシュ充填、64リットル
燃料ポンプ:標準「Eタイプ」仕様

■トランスミッションおよびパワートレイン
トランスミッション:ジャガー製4速フルシンクロメッシュ式(クロスレシオ)ギアボックス
ファイナル・ドライブケース:鋳鉄製、Powr-Lokリミテッド・スリップ・ディファレンシャル、減速比3.31:1
ギアボックス・オイル:カストロール
クラッチ:シングル・ドライ・プレート

■サスペンションおよびステアリング
フロント:ダブルウィッシュボーン式、LWE仕様トーションバー、改良型アンチロールバー
リア:ジャガー製独立懸架リア・サスペンション・ロア・ウィッシュボーン、ドライブシャフト・リンク、ラジアス・アーム、アンチロールバー(改良型ダンパー付き標準「Eタイプ」リア・スプリング)
ステアリング:標準「Eタイプ」仕様ラック・アンド・ピニオン式、アジャスタブル・ステアリングコラム

■ブレーキ
ブレーキディスク(前輪):直径305mm
ブレーキディスク(後輪):直径286mm
ハンドブレーキ:量産型「Eタイプ」仕様

■ホイールおよびタイヤ
マグネシウムディスク
ホイール:フロント:15in x 7.0J、後輪:15in x 8.0J
タイヤ:ダンロップ製(フロント:6.00L15 CR65、リア:6.50L15 CR65)

■電装系
バッテリー:12V、62A/h
システム:12Vマイナス・アース
照明:タングステン・ヘッドランプ、標準リア・テールランプ
点火装置:電子制御式
計器類:スミス・インダストリーズ製
ジェネレーター:量産型「Eタイプ」仕様
スターター:量産型「Eタイプ」仕様
コントロールボックス:量産型「Eタイプ」仕様
ワイパーモーターとブレード:量産型「Eタイプ」仕様

■排気装置および冷却装置
排気装置:鋼製加工マニフォールド、鋼製排気システム、センター・サイレンサー・ボックス、ポリッシュ仕上げツインテール・パイプ
冷却装置:アルミニウム製「Eタイプ」ラジエーター、アルミニウム製エクスパンション・ヘッダータンク、エンジンオイルクーラー、オイルサンプ・タンク

■寸法・重量
全長:4,453mm
全幅:1,700mm
全高:1,181mm
重量:1,000kg
ホイールベース:2,440mm
フロントトラック:1,270mm
リアトラック:1,397mm


■ボディトリムおよびハードウエア

<ホワイトボディおよびクロージャー>
・アルミニウム製モノコック、出力300bhp以上のレースエンジン用強化フロント・サブフレーム
・リベットおよび溶接アルミニウム構造
・アルミニウム製ボディクロージャー(ボンネット、ドア、トランクリッド)
・アルミニウム製脱着式ハードトップルーフ
・21ルーバー付きボンネット・エアインテーク
・黒色紛体塗装ロールケージ
・ボンネット構造一体化型フロント・ブレーキ冷却ダクト

<エクステリア・トリム>
・ボディサイドのボンネット・リリース・ハンドル
・‛ロングレンジ’のアルミニウム製クイックリリース式燃料フィラーキャップ
・ボディカラー同色の室内換気用エアインテーク
・保護用カーカバー(非防水)
・センター・ボンネット・キャッチ
・改良型楕円形ドアミラー

<インテリア・トリム>
・アルミニウム製バケットシート(背もたれ角度拡大、パッド入りクッション)
・バックミラー
・コノリー・レザー
・ステアリングホイール(ウッドリム)
・アルミニウム製シフトノブおよび標準ハンドブレーキ
・削り出しメタル・トグル・スイッチおよびプッシュ式スターター・ボタン
・5点式シートベルト
・グローブボックス付きブラック・インストルメントパネル
・ボンネット・スタンド、トランク・スタンド

ガラスハウス
・合わせガラス式フロントウィンドウ
・パースペックス(透明アクリル)製サイドウィンドウおよびリアウィンドウ
・手動昇降式サイドウィンドウ

* 上記数値はメーカー推定値です。お客様の仕様によって変更の可能性があります


◆読者からの問い合わせ先◆
ジャガーコール(フリーダイヤル)0120-050-689
(9:00~18:00、土日祝日を除く)

この件に関する報道関係者からの問い合わせ先:
ジャガー・ランドローバー・ジャパン マーケティング・広報部
03-5470-4242
または株式会社プラップジャパン(担当:加藤、藤井、住川)
03-4580-9105 / jlr_pr@ml.prap.co.jp

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