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パリ・モーターショーにて「ジャガーXE」の詳細情報を公表

公開日:2014/10/02 17:00

※本資料はジャガー・ランドローバーが2014年10月1日に発表したプロダクト・インフォメーションの参考翻訳です。

2014年10月2日
(日本語訳発行日)

パリ・モーターショーにて「ジャガーXE」の詳細情報を公表

■最新モデル「ジャガー XE」は、世界のミッドサイズ・セグメントに投入するドライバーズ・カー
■クラス初となるアルミニウムを多用したモノコック・ボディ
■ダイナミックなデザイン、伝統的な後輪駆動のスタンス
■最もコンパクトで軽量でありながら、最も強靭なジャガーのサルーン・モデル
■ジャガー史上最も卓越した空力特性を発揮:Cd値0.26
■正確なハンドリングとしなやかな乗り心地を実現する、ダブルウィッシュボーン式フロント・サスペンションとインテグラルリンク式リア・サスペンション
■高効率な2.0リッターINGENIUM(インジニウム)ディーゼルエンジンは、最高出力163PS、燃費75mpg、CO2排出量99g/kmを達成
■3.0リッター V6 スーパーチャージド・エンジンは、最高出力340PS、0-60mph加速4.9秒を発揮
■トランスミッションは6速マニュアルと8速オートマチックから選択
■電動パワーステアリングは、新たなベンチマークとなるレスポンスを実現し、CO2排出量を最大3%削減
■8インチのタッチスクリーンで操作する新開発InControlインフォテインメント・システム
■ジャガーが新たに開発したオール・サーフェス・プログレス・コントロール(ASPC)がワールドデビュー。悪条件下での走行時に最大限低速トラクションを提供する革新的なシステム
■ジャガー・ドライブ・コントロ-ルには、「エコ」「ノーマル」「ウィンター」「ダイナミック」の4つのモードを装備
■ステレオカメラ・テクノロジーが、自動緊急ブレーキ・システム、レーンデパーチャー・ウォーニング(車線逸脱警告)、オート・ハイビーム・アシストなどを実現
■高コントラストのカラー映像を提供するレーザー式ヘッドアップ・ディスプレイ(UHD)デプロイアブル・ボンネットを採用し、歩行者保護を強化


「ジャガー XE」はスポーツ・サルーンの既成概念を打ち破り、ミッドサイズ・セグメントにおける真のドライバーズ・カーとなるモデルです。軽量構造、流線型のスタイリング、ラグジュアリーなインテリア、そして卓越した乗り心地とハンドリングは、ジャガーの創始者ウィリアム・ライオンズ卿のビジョン―「クルマは人間が創り出したものの中で最も“生き物”に近い。」という考えを証明するものです。

後輪駆動の「XE」は、アルミニウムを多用したモノコック・ボディをもつクラスで唯一の車です。この極めて堅牢ながらも軽量な構造は、ダブルウィッシュボーン式フロント・サスペンションとインテグラルリンク式リア・アクスルと相まって、「XE」の革新的なビークル・ダイナミクスの礎石となり、新たなベンチマークを打ち立てます。

アルミニウム構造のエンジニアリングにおいて世界をリードするジャガーの専門的なノウハウが、並外れた燃料効率と低エミッションを実現しています。新開発INGENIUM(インジニウム)ディーゼルエンジンを搭載した「XE」は、燃費75mpg、CO2排出量99g/kmと、ジャガー史上最も優れた燃料効率を誇ります。また、高い評価を得ている「Fタイプ」と同じ3.0リッター V6 スーパーチャージド・ガソリンエンジンを搭載した「XE S」の、0-60mph加速は、わずか4.9秒です。
「『XE』のドライビング特性は、その魅惑的な外観から期待されるものと完全にマッチしています。エモーショナルな魅力は、空力特性から先進のINGENIUMエンジン・ファミリーに至るまで、効率を重視する最先端のアプローチによって支えられています。」
ジャガー XE担当ビークルライン・ディレクター、ケビン・ストライド

アルミニウムを多用している「XE」は、ジャガー・ランドローバーが新たに開発したモジュール車体構造を初めて採用したモデルです。2,835mmと長いホイールベースと低いシート・ポジションによって、完璧なプロポーションと流線形のシルエットを実現しています。

キャビンは傑出したレベルの快適性と広さを提供します。上質な素材と仕上げが、ジャガーのクラフトマンシップと相まって、クラス最高レベルのインテリアを作り上げており、このセグメントの他のモデルとは明らかに一線を画すインテリアとなっています。ジャガーの最新InControlインフォテインメント・システムは、その革新的な8インチのタッチスクリーンにより、あらゆる機能に加え、iOSやAndroid搭載スマートフォンのアプリにも、すばやくアクセスすることができます。

「XE」には最先端のドライバー支援システムを搭載しています。オール・サーフェス・プログレス・コントロール(ASPC)は、ジャガー・ランドローバーの数十年にわたるオフロードにおけるトラクション・システムに関する知識と経験をもとに開発されたもので、数秒以内に電子的にトラクションを提供するため、例えば雪道など滑りやすい路面を走行する際に有用です。

「XE」のレーザー・プロジェクション・テクノロジーは、ヘッドアップ・ディスプレイ(HUD)にシャープで高コントラストなカラー画像(速度、ナビゲーションなど)を、直射日光が当たっている状況でも鮮明に映し出しだすことが可能です。このシステムは小型のモジュールを使っているため、既存システムと比べて重量がほぼ3分の2に抑えられています。

ステレオカメラはフロントガラスの内側に取り付けられており、前方道路の3Dビューを「XE」に映し出します。自動緊急ブレーキやレーンデパーチャー・ウォーニング(車線逸脱警告)などの機能には、この極めて正確なデータが用いられます。

「XE」は、これまで生産されたジャガー・サルーンの中で最も強靭、かつ最も空力特性に優れたモデルです。またステアリングには、油圧式よりもエネルギー消費が少なく、卓越したレスポンスとステアリングフィールを提供するためにチューニングした電動パワーステアリングを、ジャガーとして初めて採用しました。「XE」はジャガーの中で、最も維持費を抑えることができ、最も優れた環境面でのサステイナビリティを実現します。

アルミニウムを多用した「XE」は、英国ソリハルにあるジャガー・ランドローバーの工場に新設された生産施設で製造されます。この極めてフレキシブルな専用施設は、15億ポンド(約2,648億円)におよぶ投資対象のひとつで、英国内で1,700名の新規雇用を生み出します。
* 2014年10月2日換算レート:1ポンド176.54円

ジャガーのサルーン・モデルは、既存の「XF」と「XJ」に加え、最新モデル「XE」の登場により、ラインアップが完成しました。



<「XE」シリーズ>

「XE」シリーズは、ラグジュアリーからハイパフォーマンスまで、あらゆる好みに完璧に応えるモデルを提供

■すべてのドライバーに合わせたスポーツサルーン

「XE」は、他の追随を許さないレベルのステアリング・レスポンス、乗り心地、洗練性、そしてパフォーマンスを兼ね備えることを目指して設計しました。これらの特性は、流れるような完璧なプロポーションのエクステリアと、上質な素材や細部へのこだわりによって作られたインテリアに調和しています。

■Pure(ピュア)*:
「XE」シリーズのエントリーモデルである「Pure(ピュア)」のシートは高品質なクロス製で、ドアトリム・フィニッシャーと、インストルメントパネル周囲が特徴的で、流れるような“Riva Hoop(アッパーフェイシアを縁取るように施されたフィニッシャー)”には、グロスブラック仕上げを施しています。
* 英国では「SE」

■Prestige(プレステージ):
コントラストステッチが施されたトーラスレザーのシートや内張りは、蛍光ブルーのムードライティングとともに、ラグジュアリー感あふれるモダンで先進的なインテリアを演出します。オプションの空調付シートのインサートはパーフォレイテッド加工が施され、“Riva Hoop”とドアフィニッシャーには、艶消しアルミニウムが使われています。

■Portfolio(ポートフォリオ)
「XE」シリーズで最もラグジュアリーな「Portfolio」は、ヘリンボーンのパーフォレイテッド加工が施された上質なウィンザーレザーを採用しており、多彩なカラーの選択肢を提供します。上下に分割されたツートーンカラーのインストルメントパネルのカバーは、同色のツインニードル・ステッチが施され、オーダーメイドのような印象を醸し出しています。アルミニウムトリムの表面は、エンボス仕上げとなっています。

■R-Sport(Rスポーツ)
トーラスレザーでトリムされたシートには、独特なテクニカル・メッシュ地のインサートが採用されています。“Riva Hoop” とドアフィニッシャーはエッチング加工がされたアルミニウム製で、トレッドプレートとスポーツ・ステアリングホイールには、「R-Sport」のバッチが施されます。エクステリアは、控えめなリアスポイラーと上品なクロム仕上げのサイドパワーベントによっていっそう引き立てられています。スポーツ・サスペンションが優れたハンドリングを提供します。

■S(エス)
「XE」シリーズの中で最もパフォーマンスにフォーカスしたモデルで、レーシングカーにヒントを得たインテリアが特徴です。トーラスレザーのシートにはスエード地のパネルが採用され、トレッドプレートとレザーのスポーツ・ステアリングホイールには「S」のロゴが付いています。ドアフィニッシャーと“Riva Hoop”にはダークな6角形の模様が施されたhex aluminium(ヘックス・アルミニウム)を、センターコンソールにはグロスブラック仕上げを採用しています。フロントバンパーの大型化されたエアインテークは、V6スーパーチャージド・エンジンの高いパフォーマンスを示唆しています。そのほか、このパッケージには、サイドシル・エクステンション、リアスポイラー、グロスブラックのリアバランス、赤いブレーキ・キャリパー、オプション設定の20インチ鍛造“プロペラ”アロイホイールは装着されます。


■デザイン

ジャガーがこれまで生産したモデルの中で最も先進的なスポーツサルーン「XE」は、一目でジャガーであることがわかります。完璧なプロポーションと優れた空力効率という基本原則を中核に据え、アルミニウムのサーフェスがフォルムをつくりだしています。その外観においてもフィーリングにおいても、同クラスで唯一無二の存在です。

■妥協のないフォルムと機能を両立

常に革新性においてリードしてきたジャガーは、アイコン的なモデル「Mk II」で、スポーツカーのパフォーマンスとダイナミクス、スタイリッシュな4ドアボディを有する、ジャガー史上初となるスポーツサルーンをつくりだしました。「XE」は、このジャガーならではの伝統に、軽量車体構造に関する圧倒的な専門知識と、美しいライン、シャープな足回り、完璧な造形のサーフェスを融合させて誕生しました。

クラス唯一のアルミニウムを多用したモデル「XE」は、ジャガーの軽量モジュール車体構造と並行して開発しています。全くの白紙状態から開発されたこの車体構造は、今後のジャガー・モデルにも採用していく予定ですが、ジャガー・ブランドにとって、これまでにないデザインの可能性を解き放ちます。

「すばらしいプロポーションとダイナミックでエッジィな感覚がジャガー・デザインの中核にあります。私どもは強い躍動感を創造すべく、『XE』に一切妥協のないダイナミックで意志のある外観を与えました。しなやかで低い、クーペのようなエクステリアのプロポーションと、真のジャガーであることが一目でわかる効率的なパッケージングを組み合わせています。」
ジャガー、デザインディレクター、イアン・カラム

力強い造形のボンネットは緊張感のあり筋肉質な外観をつくりだし、アルミニウムに関するジャガーの専門ノウハウの証でもあります。傾斜の大きなフロントガラスと、後方に向かって上昇したウェストラインが、流線型のクーペのようなシルエットを強調し、躍動感を演出しています。

“J”の字を表した「Jブレード」パターンのランニング・ライトも、一目でジャガーであることがわかるデザイン要素のひとつです。テールランプは、地面と水平なラインが円と交わり、ジャガーの象徴である「Eタイプ」から引き継がれたスタイリングの特徴を表しています。


■流線型のスタイリングと優れた空力特性に見るスムーズな進化

ジャガーは、空力特性に優れ、息を飲むような美しいシルエットの車作りにおいて長い歴史を有しています。新型モデル「XE」は、一切妥協のないフォルムと機能を融合するという伝統を受け継いでいます。そのフォルムはCd値がわずか0.26というジャガー史上最も低い数値を達成しています。これは数値流体力学(CFD)に基づく1,200回ものシミュレーションと、CPU時間で800万時間以上に相当する計算をした成果です。

空力抵抗を抑えたボディのフォルムは、新たな改良によってさらなる強化を図っています。例えば、空気抵抗を減少させるために、規則的な空気の流れである層流がフロントホイールの表面を通るように導くフロントバンパーのダクトは、リアサイレンサーまで伸びる軽量のアンダーフロアのパネルと相まって、ほぼ完璧なほど滑らかな表面を形成し、さらに空気抵抗を大幅に低減します。


■広さとラグジュアリーを実現したインテリア

「XE」のエクステリアの美しいスタイリングを目にすれば、インテリアに対しても期待は高まりますが、内部はそうした期待に十分応えるものとなっています。余裕のある室内スペースの中で、フロントシートの乗員は高めのセンターコンソールが付いたシートに包み込まれ、コックピットにいるような感覚を覚えます。インストルメントパネルの弧を描く曲線の中央には、新しいInControlインフォテインメント・システムの8インチ・タッチスクリーンを備えています。オートマチック・トランスミッション搭載モデルでは、ジャガーならではのロータリー式ドライブセレクターが、センターコンソールからせり上がり、”the XE feels alive” まるで「XE」が生きているかのように感じます。

フロントシートは乗員を包み込むような形状で低い位置に取り付け、スポーツカーのようなドライビング・ポジションをとります。また、12ウェイ・パワーアジャストメント機能を装備し、オプションでクーラーとヒーターを取り付けることができます。リアシートも、ヒーターがオプション設定でき、ジャガー初となる40:20:40の分割可倒式となっており、シートを倒して長尺物を収容することも可能です。

「XE」のしなやかな流線型のエクステリアのスタイリングとゆとりあるインテリアスペースは、決して相いれないものではありません。すべての乗員に余裕あるヘッドルームとレッグルームを確保し、扇形に深くカーブしたフロントシートの背もたれのおかげで、リアシートの乗員に広いスペースを提供します。

テクニカル・ファブリック、きめの細かいレザー、そしてコントラストを生み出すツインニードル・ステッチなどによりキャビンにオーダーメイドのような質感をもたらします。グロスブラック、質感のあるアルミニウム、現代的なウッドパネル、カーボンファイバー製トリムが、ラグジュアリーなハンドメイド感を強調します。



■ボディ構造

ジャガーは、アルミニウム構造体において、どの自動車メーカーよりも豊富な経験を有しており、「XE」の革命的なボディ構造に結実しています。「XE」は、アルミニウムを多用したモノコック・ボディをもつクラス唯一のモデルです。


■軽量ながらも強靭で安全

2003年のアルミニウム・ボディを持つ「XJ」を皮切りに、「XK」、現行「XJ」、そして「Fタイプ」を経て、アルミニウムを多用したモノコック・ボディ「XE」が誕生しました。「XE」は、ジャガーがこれまで生産したモデルの中で最も高剛性なサルーンモデルです。ミッドサイズ・セグメントにおいて、「XE」よりも多くアルミニウムを使用しているモデルは他にありません。

「『XE』のボディは75%以上がアルミニウムでつくられており、これは、同じクラスのどのモデルよりも並外れて高い数字です。その結果、他の追随を許さない軽量ボディ構造を実現することができました。軽量であると同時に、驚異的な強度と、極めて高いレベルのねじり剛性、安全性を兼ね備えています。しかも、車のデザインや洗練性についても、一切妥協はしていません。」
軽量車両テクノロジー担当ジャガー・チーフ・テクニカル・スペシャリスト、マーク・ホワイト博士

「XE」は、ジャガーが新たに開発したモジュール車体構造をベースに設計した最初のモデルです。この先進的な構造は、今後、異なるセグメントの様々なモデルの構造体として採用していく予定ですが、アルミニウム、高強度鋼、マグネシウムなど複数の素材を最も合理的に組み合わせて利用することを念頭に技術開発しているため、製造する上で卓越した柔軟性を実現します。

乗り心地、ハンドリング、燃料効率、そして安全性における厳しい目標値を満たすことが、アルミニウムを多用したモノコック・ボディに課された条件でした。ジャガーがアルミニウム製の初代「XJ」を開発していた頃は、このラグジュアリー・サルーンのボディは、約70%が標準グレードの合金で、30%が高強度合金で構成されていました。しかし最新モデル「XE」では、この割合が逆転しています。

高強度のアルミニウム合金には、AC300とAC600というグレードのものが含まれ、Aピラーや、フロントとリアのクラッシャブル・ゾーン、カントレールなどの部分に使用されています。Bピラーは超高強度鋼を使った高強度アルミニウム製で、間に高密度の発泡体の層を含んでいます。

こうした取り組みにより、乗員がいるコンパートメントは極めて堅牢となり、万一の衝突の際、構造体が内側へ変形するのを防ぎます。「XE」は、米政府機関が実施する新車アセスメントプログラム(NCAP)のほか、欧州の消費者団体によるユーロNCAPなど、世界の最も厳しい公的機関および民間の衝突安全性能試験の基準を満たすように技術開発が行われました。

歩行者保護も新たなレベルに到達しています。アルミニウム製ボンネットが持つエネルギー吸収特性は、デプロイアブル・ヒンジ・システムにより強化され、ボンネットの内側と、エンジンやサスペンションタワーや隔壁などの固い構造物との間に、追加で空間を生み出します。


■世界で初めて再生アルミニウム合金を使用

ジャガー・ランドローバーにとって、サステイナビリティ(持続可能性)は大きな割合を占めています。「XE」は、再生アルミニウムの含有率が高い「RC5754」と呼ばれる高強度アルミニウム合金を世界で初めて採用した車です。数年にわたる研究成果である「RC5754」は、必要な機械的性質を得るために不可欠な一次素材をごく少量しか含んでいません。

先進的な高強度鋼と二相鋼を含むスチールは、リアのアンダーボディ、ドアパネル、トランクリッドなどに使用しています。これらの素材はそれぞれのパーツに求められる特定の強度、剛性、ジオメトリーの要件を満たすとともに、「XE」の理想的な重量配分にも貢献します。鋳造マグネシウムも登場し、この超軽量素材は、フロントエンド・キャリアだけでなくクロスカー・ビームにも使用しています。


■航空宇宙産業にヒントを得た接合技術

2003年、従来のスポット溶接を、航空機製造で使用されていたSPR(Self Piercing Rivet:自己穿孔リベット)と構造用接着剤の組み合わせに置き換えましたが、これはジャガーにおけるボディ・エンジニアリングのもうひとつの変革でした。これらの技術により、強度、剛性、耐久性を卓越したレベルでの融合をさせ、高度に最適化した接合部の設計が可能になりました。さらに、溶接工程では極めて困難とされていた「異種物質同士の接合」を実現しています。

鋼材とアルミニウムパネルの間で電解腐食が発生するリスクを抑えるため、「XE」のモノコック・ボディには、この2つの素材の間に5層から成る保護層を採用しています。第一層は、スチール部品側に施された亜鉛メッキの保護塗装です。次に、接合部に構造用接着剤を充填し、ボディ全体に電着塗装、継ぎ目にはシーラーを入れ、最後に塗装を施します。



■シャシー

ジャガーのサルーンは、卓越した乗り心地と傑出したドライビング・ダイナミクスを比類ないレベルで兼ね備えることで常に名を馳せてきました。「XE」は、ダブルウィッシュボーン式フロント・サスペンションとインテグラルリンク式リア・サスペンション、さらにジャガー初となる電動パワーステアリングの採用により、ジャガーを次なるレベルに引き上げます。開発の狙いは、「セグメントにおけるドライバーズ・カーとなること」でした。

■俊敏でレスポンスの早い、しなやかなシャシー

最新の車体構造を採用した「XE」は全くの白紙状態から設計しています。つまり、プログラム・チームには、既存のプラットフォームや繰り越されたコンポーネントなどの使用により生じる妥協とは、一切無縁の車を開発するという、貴重な機会が与えられたのです。その結果、「XE」のシャシーは、同じクラスのあらゆるモデルと比べて最も洗練されたものとなり、その乗り心地と操作性で新たなベンチマークを打ち立てます。

「XE」の軽量でありながらも強靭なボディ構造と、縦置き後輪駆動のパワートレインは、開発にとって理想的な出発点となりました。競合モデルのほとんどがフロント・サスペンションにシンプルな構造のマクファーソンストラット式を採用しているなか、ジャガーのビークル・ダイナミクス・チームは、より優れたダブルウィッシュボーン式の採用にこだわりました。

「ジャガーの正確なハンドリングと質の高い乗り心地の絶妙なバランスは常に評価を得てきました。『XE』は、ジャガーが長年にわたって培ってきた様々なものを結集させて開発した車で、このセグメントでは他に類を見ない、しなやかな乗り心地と俊敏なハンドリングが見事に両立されています。」
ジャガー、ビークル・インテグリティ担当チーフ・エンジニア、マイク・クロス

キャンバー剛性は、コーナリング時に発生する水平荷重への抗力を示すという特性があり、ステアリングフィールに影響する極めて重要な要素であるため、検討が重ねられました。バネ下重量を最小限に保つために、特許取得済の製造工程を用いて、鋳造アルミニウムを鍛造したナックルを採用しています。さらに、チューブ状のアンチロールバーや、より強靭で板厚の小さいスチール製スプリングも軽量化に貢献しています。

フロント・サスペンションのジオメトリーは、最初から四輪駆動と後輪駆動のレイアウトに対応できるよう最適化しています。そのためサスペンションの取り付けポイントによって、スプリングとダンパーを効率的にパッケージングすることが可能となります。これは、「XE」のボンネットの高さを低くするために不可欠で、流線型のスタイリングだけでなく、歩行者を衝撃から保護する上でも基礎となるものです。

ダンパーの調整には細心の注意が払われ、ジャガーの車がその名を馳せている所以である卓越した乗り心地と俊敏なハンドリングに必要となる厳格なボディコントロールを実現しています。


■セグメントにおいて最も洗練されたインテグラルリンク式リア・サスペンション

ジャガーは、同じクラスにおいて標準的とされている従来型のマルチリンク式サスペンションを検討しましたが、「XE」が求めるダイナミック性能の実現までには至りませんでした。

解決策として採択したのがインテグラルリンク式でした。これは通常、より大型でもっと高価なモデルに採用されるサスペンション・システムで、ベンチマークとなるパフォーマンスを発揮します。インテグラルリンク式だけが「XE」の正確なハンドリングとしなやかな乗り心地の実現に必要となる、縦方向と横方向の双方に理想的な剛性を提供することができたのです。

重量を最小限に抑えるため、アルミニウムを広範囲に使用しています。トーリンクとアッパー・コントロールアームは鍛造、ナックルとロア・コントロールアームは中空鋳造とし、さらなる軽量化を図っています。


■電動パワーステアリングに新たな可能性

ステアリングのレスポンス、重さ、感覚は、ジャガー・ブランドのDNAの中核的要素であり、 “走り出して50mの印象”、つまり車の走り方についてその車自身が伝える極めて重要な第一印象に最も影響を与える要素といえます。

油圧式は最も自然で直感的なシステム性能を実現するため、これまで油圧式のパワーアシスタンスを採用してきました。一方、電動式パワーステアリング(EPAS)は、チューニングの自由度とエネルギー効率において油圧式を凌駕しますが、ジャガーのエンジニア・チームはそのテクノロジーは十分に成熟していないとごく最近まで考えていました。

結果的に「XE」は電動パワーステアリング(EPAS)を搭載する最初のジャガー・モデルとなり、ジャガーのスポーツサルーンに期待される俊敏なレスポンスと一体感を提供します。全てのシステム・ハードウェアは、自然なステアリングフィールの“敵”であるバックラッシュと摩擦を減らすべく最適化をしています。一方、制御用ソフトウェアは徹底的にチューニング段階で磨きがかけられました。制御アルゴリズムは周囲の温度変化を把握することも可能で、どのような条件下であっても一貫したステアリングフィールを確実に提供できるように設定しています。

ステアリング・ロックが適用される度合いによって微妙に変化する速度感応式のアシストと制動機能に加え、ステアリング・システムは路面中央部の上反りの変化にも対応し、安定した運転を実現します。

電動パワーステアリングは「XE」のCO2排出量を、ガソリンエンジン搭載モデルの場合で3%、ディーゼルエンジン搭載モデルの場合で2%削減します。


■高性能ブレーキ

「XE」のブレーキ・システムは、車のダイナミックなドライビング特性に適した仕様となっています。軽量スライド式キャリパーと大径ディスクを、フロントとリアに装備しており、ディスクサイズは、フロントが316mm~350mm、リアが300mm~325mmです。

ベンチレーテッド・フロントディスクは、サスペンションに取り付けられたダクトが空気をバックプレートの開口部を経由してローター中心部に送り込むため、冷却効果が改善され、その恩恵を受けています。

最新世代の電子ブレーキ・システムのコントローラーは、従来のモジュールよりも軽量かつコンパクトでありながら、パワフルさ、安全性、安定性、ダイナミクスを向上させる多種多様な機能を可能にします。


■トルクベクタリング・バイ・ブレーキング

「XE」に搭載された機能の中で最も印象深いもののひとつに、トルクベクタリング・バイ・ブレーキングがあります。「Fタイプ・クーペ」でその実力を証明したこの最新テクノロジーは、「XE」では標準装備となります。

このハイテクなイノベーションは、コーナリングの間、必要に応じて内側の各ホイールに軽くブレーキをかけ、車の走るラインを最適に保ち、アンダーステアの発生を抑えます。

その介在は微細なもので、ドライバーが気づくことはほとんどありません。ドライバーは、よりニュートラルなハンドリング、快適なステアリング操作、そして最終的には、充実したドライビング・エクスペリエンスを得ることができるのです。



■パワートレイン

「XE」に搭載している4気筒または6気筒のガソリンまたはディーゼルエンジンは、CO2排出量99g/km、最高速度250km/hという数字が示すように、パフォーマンス、洗練性、燃費効率を兼ね備えています。エンジンは全て、直接噴射、可変バルブタイミング、高回転という特性により、クリーンで静かな燃焼と卓越した加速性能を誇ります。インテリジェントなストップ/スタートシステム、およびスマートな回生充電機能は、さらなる燃料節約をもたらします。パワーは、スムーズなシフトを特徴とする6速マニュアル・トランスミッションまたは8速オートマチック・トランスミッションを介して、後輪に伝達されます。


■スムーズで洗練された高効率なパワートレイン

ジャガーの最新モデル「XE」の投入は、新開発のエンジン・シリーズ「INGENIUM(インジニウム)」のデビューも意味します。先進的なモジュール設計によるINGENIUMエンジンには、ガソリン・バージョンとディーゼル・バージョンがあり、パフォーマンス、効率、洗練性を実現するために、一切妥協をすることなく、全くの白紙状態から開発されました。

「XE」に搭載する最初のINGENIUMエンジンは2.0リッター4気筒ディーゼルで、最高出力と最大トルクの異なる2つの選択肢(163PS/380Nm、180PS/430Nm)を用意しています。最高出力163PSのエンジンは、「XE」をジャガー史上最も燃料効率に優れたモデルにし、欧州複合サイクルで燃費75mpgとCO2排出量99g/kmを達成します。

200万マイル(約320万km)を超えるフィールドテストを経て、そのパフォーマンスが証明されたINGENIUMエンジンは、ジャガーの将来の低CO2パワートレイン戦略の礎石となります。また、世界中の最も厳しい排出ガス規制基準もクリアしています。

「新世代のINGENIUMディーゼルエンジンは、英国ウエスト・ミッドランズ州ウルヴァーハンプトンに新たに建設された最新鋭のエンジン工場で、設計から製造まで一貫して社内で行っています。効率性、パフォーマンス、そして洗練性を最高レベルにするため、その設計には最先端技術を確実に搭載できるよう、どのような機会も逃さないようにしてきました。」
ジャガー・カーズ、パワートレイン担当グループ・チーフ・エンジニア、ロン・リー

ジャガーのエンジニア・チームが白紙状態から自社開発したINGENIUMエンジンは全て、重量、低摩擦の表面仕上げ、耐久性を最適なバランスとするために、鋳鉄製の薄肉ライナーを圧入したディープスカート構造のアルミ製シリンダーブロックをベースにしています。

エンジンの分割冷却システム、マッピングされたサーモスタット、そして完全可変式メカニカルウォーターポンプは、冷却水がシリンダーヘッド内のクロスフローを通って循環する間、水をブロック内に留めます。これにより、エンジンがより早く暖まり、摩擦を減少させ、燃料消費量も低減させることができるのです。

寄生損失は他の方法によっても減らされています。電子制御式のオイルポンプは、エンジン速度、負荷、温度に応じて流量を調整する一方、切り替え可能なピストンクーリングジェットは必要な時のみ動作します。

可変バルブタイミングは、長年、ジャガーの全てのガソリンエンジンで使用してきましたが、今回、この技術をディーゼルエンジンにも初めて適用しました。INGENIUMエンジンは、排気側のカム・フェイザーの恩恵を受けています。可変エキゾースト・バルブタイミングは触媒をより短時間で温め、それによってエンジンの温度上昇段階で発生する有害な排出ガス量を最小限に抑えます。

燃料は、1,800barのソレノイド式コモンレール・システムによって燃焼室に噴射されます。主要特性は、低ノイズ、高効率、優れた混合気生成です。

INGENIUMディーゼルエンジンは、可変ジオメトリーをもった高効率なターボチャージャーのおかげで、極めて低い回転域からトルクを素早く増大させることができるという特性をもっています。幅広い回転域で最大トルクを維持することができ、ドライバーが必要とする時はいつでも瞬時に反応しパワフルな加速を確実に提供します。

「XE」は、パフォーマンスを向上させるために、燃費を犠牲にすることはしていません。6速マニュアル・トランスミッションと組み合わせると、最高出力163PS、最大トルク380Nmを発揮するディーゼルエンジンは、「XE」のCO2排出量のベンチマークである99g/kmを達成します。

最高出力180PS、最大トルク430Nmを発生するよりパワフルなユニットでは、トランスミッションがマニュアルもしくはオートマチックでも、同様に優れた数字を実現します。


■クリーンな燃焼と先進的な後処理により排出ガス最小限に抑制

高機能の排出ガス再循環装置と並び、ジャガーのパワートレイン担当エンジニア・チームは最先端の排出ガス後処理技術を「XE」に採用しました。高効率の尿素SCRシステム(SCR)は、排気管からのNOx(窒素酸化物)排出量をEuro 6規制が定めた基準以下に抑えます。


■パフォーマンスと効率性を両立した4気筒ガソリンエンジン

ガソリンエンジンは、既にジャガー「XF」と「XJ」でデビューしている2リッター4気筒直噴ターボチャージド・ユニットから提供を開始します。「XE」向けに最適なチューニングを施し洗練された軽量エンジンは、最高出力200PS、最大トルク320Nmと最高出力240PS、最大トルク340Nmという2種類の設定を用意しています。

重量わずか138kgのオール・アルミニウム製で、二次振動を相殺する逆回転ツインバランサーシャフトを採用し、6気筒自然吸気エンジンのようなスムーズさとパワーを、よりコンパクトで高効率なパッケージで実現しています。

革新的な機能のひとつに、エアギャップで断熱されたエグゾーストマニホールドに組み込んだシートメタル製タービンハウジングがあります。軽量化に貢献するだけではなく、組み立て部品の熱質量の低減により触媒が反応温度により早く到達し、排出ガス削減につながります。低慣性のタービンホイールは並外れて優れた過渡応答を示します。


■余裕あるパワーを発揮するV6スーパーチャージド・エンジン

優れたパフォーマンスと、アイドリングから回転限界域のレッドラインまで吹き上がるゾクゾクするようなエンジンサウンドを望むお客様のためのモデルは「XE S」です。軽量スポーツカー「Fタイプ」と同じ、3.0リッター V6スーパーチャージド・ユニットを搭載しています。このオール・アルミニウム製エンジンはモジュール設計で、90度のシリンダーバンク角をはじめとするその主要構造は、高い評価を得ているジャガーの5.0リッターV8ユニットから取り入れたものです。

バランサーシャフトのおかげで、このV6エンジンは、より大型のエンジン・ユニットに匹敵するほどの洗練性を発揮する一方、広角のV字形デザインにより、ルーツタイプのツインボルテックス・スーパーチャージャーをパッケージングするスペースが生みだされます。最高出力340PS、最大トルク450Nmを発揮し、「XE S」に並外れた加速性能、ドライバビリティ、そしてパフォーマンスをもたらします。0-60mph加速はわずか4.9秒を誇り、最高速度は電子リミッターで155mph(約250km/h)に設定されています。


■新開発6速マニュアル・トランスミッションが実現する最高の組み合わせ

スムーズなシフト操作を約束するマニュアル・トランスミッションは、軽くて正確なギアチェンジ、幅広いギアレシオの設定を特徴とし、スタート時の優れたパフォーマンスと静かで洗練されたクルージングを両立します。

トランスミッションはスムーズなシフトチェンジを実現し、走りを楽しみたいドライバーに充実感を提供するほか、「XE」の優れた燃料効率にも貢献します。軽量アルミニウム合金の鋳物は重量を削減する一方、中空シャフトやポケット付きギアといった細部の工夫により、トランスミッションのさらなる軽量化を実現しました。

効率性を追求した結果、エンジンの潤滑システムには、寄生損失が発生してしまう従来のスプラッシュ潤滑式に替えて、セミドライ・サンプ式を採用しました。セミドライ・サンプ式では、オイルは軽量ポリマーバッフルによりギアから分離され、コンパクトなポンプを介して可動部品に吹付けられます。


■最適化された8速オートマチック・トランスミッション

「XE」のアルミニウムを多用した構造体のおかげで、「XJ」と「XF」に搭載されているZF製8速オートマチック・トランスミッション(8HP)の軽量化版を全てのガソリンおよびディーゼルエンジンに組み合わせることが可能となり、さらに約10kgの重量削減を実現しています。この8HPトランスミッションはベンチマークに位置付けられています。

いかなる条件下でも常に最適なギアを提供するトランスミッションの、いわば頭脳ともいえる電子制御装置(ECU)は、ドライバーの運転スタイルをモニターし、シフトパターンを適合させます。このインテリジェントなコントロール・プログラムは、ジャガーのドライブ・コントロールで選択されたドライブモードをより効率化します。高性能モデル「XE S」では、ステアリングホイール上に取り付けられたパドルシフトが特徴で、ドライバーはギアシフトを完全マニュアル操作ができ、より一体感のあるドライビング・エクスペリエンスを得ることができます。



■先進のドライバー支援システム

ジャガーはドライビングをより安全に、リラックスして、楽しくすることを目指し、数々のテクノロジーを開発しました。例えば、悪条件下での低速走行時のトラクションを改善するシステムから、前方の道路をスキャンするステレオカメラを用いたスマートなブレーキ・システムに至るまで、様々な機能を搭載している「XE」は、ミッドサイズ・セグメントにおけるインテリジェントな選択肢といえます。

■トラクションを確保するオール・サーフェス・プログレス・コントロール(ASPC)

「XE」に搭載されワールドデビューを飾るのはオール・サーフェス・プログレス・コントロール(ASPC)です。このユニークなトラクション管理システムは、低速クルーズ・コントロールに類似したもので、同じセグメントの後輪駆動車の中で無類の全天候対応能力を「XE」に与えます。

ASPCは、例えば雪に覆われた私道や凍結防止剤がまかれていない冬の道路、あるいは濡れた草地といったグリップ力が低く、滑りやすい路面で効果を発揮します。オフロードでのトラクション・システムに関するジャガー・ランドローバーの数十年にもおよぶ経験をもとに開発されたASPCは、ドライバー自身が試行錯誤するよりも遥かに容易に電子的にトラクションを得ることができます。

このシステムは3.6km/hから30km/hの間で機能し、ステアリングホイール上のクルーズコントロールのスイッチで作動させることができます。希望速度に設定すれば、ドライバーはハンドル操作にのみ集中することができます。残りは車が対応し、ドライバーがペダルを一切踏まなくとも、車は横滑りすることなくスムーズに前に進みます。ASPCはオートマチック・トランスミッションを選択した場合にのみ設定可能で、全てのエンジン・タイプに対応します。冬用タイヤを装着すれば、ASPCはさらに効果を発揮します。

■必要とされる場所に情報を投影するレーザー・ヘッドアップ・ディスプレイ

ジャガーにとって、そして業界にとっても初となる、「XE」のレーザー式ヘッドアップ・ディスプレイ(HUD)はドライバーの視線の先に高コントラストなカラー映像を直接投影します。装置は従来のTFTシステムよりも小型で重量は約3分の2です。

バーチャル画像はドライバーの正面、約2メートル先に“浮いているように”見えます。速度や、進路変更ごとに案内するナビゲーション、交通標識、クルーズコントロールの設定などの情報が表示されるということは、ドライバーの視線は最も必要とされているところ、即ち前方の道路を注視し続けることができるということです。

鮮明なコントラストは、かなり明るい太陽光の下でも映像が白っぽくなるのを防ぎます。レーザー技術のもうひとつのメリットは、もしドライバーが偏光レンズのメガネを着用していたとしても、画像が鮮明に見えるということです。

■ステレオカメラ・テクノロジーがもたらすはっきりとした視界

「XE」は、ミッドサイズ・セグメントでステレオカメラを搭載する最初のモデルのひとつです。ステレオカメラに装備された最新鋭のセンサーは前方の道路の3Dビューを提供し、自動緊急ブレーキ(AEB)とトラフィックサイン・レコグニッション(交通標識認識)システムの中核を成しています。

リアビューミラーの裏に取り付けられ前方を向いているステレオカメラは100m先の車まで検知することができます。AEBコントロールモジュールのアルゴリズムが、衝突の可能性があると判断した場合、ブレーキシステムはプリチャージされ、ドライバーにはインストルメント・クラスター、および、もし装着されているのであれば、ヘッドアップ・ディスプレイに視覚的な警告が表示されます。もしそれでもドライバーが何のアクションもとらなかった場合は、自動的にフルブレーキが作動します。AEBシステムは80km/h以下で衝突を回避、あるいは衝突の衝撃を軽減することが可能です。

トラフィックサイン・レコグニッション・システムは、ステレオカメラからの情報をもとに、ドライバーに制限速度を継続的に知らせます。例えば、道路工事中で速度規制が一時的に適用された場合、その制限速度をドライバーに伝えます。システムの高度なロバスト性を確保するため、カメラのデータは、ナビゲーション・システムの速度規制情報と常にクロスチェックしています。もし制限速度を超えてしまった場合は、ドライバーが選択した方法でさりげなく通知します。速度制限を示すイメージの周囲でリングが点滅しますが、音声による警告はありません。

道路標識に加え、先進のステレオカメラは路面標識も認識します。「XE」のレーンデパーチャー・ウォーニング(車線逸脱警告)はこの能力を利用しています。もし、ドライバーが無意識のうちに車線から逸脱するとシステムが判断した場合、ステアリングホイールを振動させてドライバーに警告します。

ステレオカメラはまた、ドライバーがもっとはっきり視認するためのサポートも可能です。ヘッドライトをインテリジェントにコントロールし、ハイビームを有効に使い夜間運転をより安全にします。ヘッドライト・モジュールとカメラの画像処理アルゴリズムをネットワークさせ、ハイビーム・アシスト機能が対向車を検知すると自動的にロービームに切り換えます。

■アダプティブ・クルーズ・コントロールで視線は常に前方に

「XE」のアダプティブ・クルーズ・コントロール(ACC)は、高速道路での旅をより快適にします。ロングレンジの周波数77GHzの走査レーダーが道路前方を監視し、前を走っている車と事前に設定した車間距離を維持しながら走行するのをサポートします。ACCシステムは、衝突の恐れを検知した場合、緊急ブレーキが作動されます。

■監視を怠らないクロージング・ビークル・センシング機能付きブラインド・スポット・モニタリング

「XE」は車の後方を監視するシステムも装備可能で、追い越し操作をより安全なものとします。ミドルレンジの周波数24 GHzのレーダーセンサーは、後方から急速に接近してくる車を検知すると、ミラーにアイコンが点滅しドライバーに警告します。車が死角に入った場合、アイコンは点滅ではなく静止したものとなります。

■スペースに入り込んで駐車が簡単に

狭い場所に駐車しようとする努力は過去のものとなりました。「XE」では、ドライバーに代わって駐車のための難しい操作をこなす、2種類の半自動の駐車アシスト機能をオプション装着することができます。超音波センサーがスペースを測定し、もし適切と判断した場合、縦列駐車や車庫入れを自動で行います。この間、ドライバーはブレーキとアクセルペダルを操作するだけです。出庫アシスト機能が駐車スペースから出る「XE」を導いてくれます。

駐車場からバックで出る操作は、リバース・トラフィック・ディテクション・システムにより、より安全です。ブラインドスポット・モニタリング・システムで使用するセンサーが、ドライバーからは見えない、接近してくる車を検知すると警告を作動させます。


■インフォテインメントとコネクティビティ

スマートフォンのアプリやWi-Fiから、世界有数のオーディオ専門メーカーのMeridian社と共同開発したプレミアム・オーディオ・システムまで、「XE」は乗員に情報とエンターテインメントを届けるための数々のテクノロジーを搭載し、毎回のドライビングをいっそう楽しいものにします。

インストルメントパネルの滑らかな曲線に完璧にフィットする8インチのタッチスクリーンが、「XE」の全く新しいInControlインフォテインメント・システムの心臓部を担います。

このタッチスクリーンは直感的に操作できるすっきりとしたユーザーインターフェースが特徴で、どの機能にも素早く簡単にアクセスすることができます。InControlは簡単な話し言葉による音声コントロールが可能なため、ドライバーはメニューを探すことなくシステム内のどの情報にも簡単にアクセスでき、常に前を見ながら運転に集中することができます。

「これまで以上に外の世界との接続性が重視されるテンポの速い世の中では、車載テクノロジーはドライビング・エクスペリエンスに絶対不可欠です。この最新モデルの『XE』には、全く新しい最先端のドライバー支援機能とエンターテインメント・システムを導入しています。白紙状態から設計・開発されたもので、毎回のドライビングを、より簡単に、よりリラックスした気分に、より安全に、そしてもっと無理なく楽しいものにしてくれるでしょう。」
ジャガー、グローバル・コネクテッド・カー担当ディレクター、マイク・ベル博士

ジャガーのフラッグシップモデル「XJ」のために最初に開発されたデュアルビュー・テクノロジーが「XE」にの搭載されます。セグメント初となるこの革新的技術により、タッチスクリーンは、ドライバーのためには車両情報を表示するのと同時に、助手席乗員はリラックスして映画を楽しむことができます。

スマートフォンによって、ユーザーとユーザーを取り巻く世界との関係は変化を続けていますが、「XE」はドライバーが常に外部とコネクトした状態を保てるようにしました。ジャガーの「InControl Apps」を使えば、車内のタッチスクリーンからスマートフォンのアプリにシームレスにアクセス可能となり、電話会議をしたり、駐車場を探したり、ホテルを予約したりと、あらゆることが簡単に行えるようになります。人気アプリの例として、iheartradio、INRIX、Glympse、Stitcher、cityseeker、Parkopediaが挙げられます。

「XE」はまた、Wi-Fiのホットスポットとしても機能し、複数の端末機器をインターネットに接続させることが可能です。車載アンテナが可能な範囲で最適な信号を提供します。

ジャガーの「InControl Remote」が提供する機能により、iOS やAndroid搭載のスマートフォンを介して、ユーザーは特別設計されたアプリを使ってどこからでも自分の車に接続し、様々な機能をリモート操作することが可能です。操作可能な機能の例として、燃料の残量チェック、ドアの開錠/施錠、エアコンの事前設定(エアコンのスイッチを入れる時間を7日分タイマーセット)が挙げられます。

「InControl Secure」は先を見越した車両監視をします。万一「XE」が盗難された場合、トラッキングサービスが警察と協力して車の位置を特定し回収します。

「InControl Protect」は、さらなる安心を提供します。可能性は低いながらも、もし車が故障してしまった場合、最適化されたジャガー・アシスタンスを提供し、現在地と車両の診断データが転送され、旅程の遅れが最小限で済むようにします。考えられない事態が万一起こってしまい、衝突事故が発生した場合は、自動的にSOS電話を発信し、警察や救急など緊急サービスを現場に呼びます。

■Meridian社のプレミアム・オーディオ・システム

リラックスして音楽を楽しみたいドライバーのために、「XE」はMeridian社製のオーディオ・システムをこのセグメントで初めて搭載します。ジャガーと、英国を代表するオーディオ専門メーカーMeridian社との長年にわたるパートナーシップの最新の成果は、パワフルなサブウーハーを含む11台のスピーカーを搭載したオーディオ・システムで、「XE」向けに特別開発されたものです。独自のアルゴリズムにより、インテリアの音響特性に配慮した、望みうる最良のサウンドを再生します。このように先進的な音楽とインフォテインメント・システムを搭載するジャガー「XE」は、それ以上望めないほど高品質のエンターテインメントをドライバーと乗員に提供し、この分野で新たな基準を打ち立てます。 

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