2019年6月7日
伝説的なジャガーのデザイン・ディレクター、イアン・カラムが退任
後任にはジュリアン・トムソンが就任
■20年もの間、ジャガーのデザイン・ディレクターを務めてきたイアン・カラムが退任
■イアンが新たなデザイン・フィロソフィーのもと手がけてきたサルーン、スポーツカー、SUVがジャガーのデザインに変革をもたらす
■後任のデザイン・ディレクターとして、2019年7月1日よりジュリアン・トムソンが就任
■今後はデザイン・コンサルタントとして、協力関係を継続
2019年6月4日、英国コベントリー発: ジャガーは、20年間にわたりデザイン・ディレクターとしてジャガーをリードしてきたイアン・カラムが退任することを発表しました。後任には、現在クリエイティブ・デザイン・ディレクターを務めるジュリアン・トムソンが、2019年7月1日付けで就任します。
イアンは、1999年のジャガー入社以来、世界有数のクリエイティブ・デザイン・チームを結成し、新たなデザイン・フィロソフィーを確立してきました。そして、これまで数々のデザインに関する賞を獲得し、ジャガー・ブランドの復活に貢献してきました。イアンが手がけたプロダクトのなかには、ジャガーのアイコンである「E-TYPE」以来の2シーターのピュア・スポーツカー「F-TYPE」、スポーツ・サルーン「XE」、ダイナミック・ラグジュアリー・サルーン「XF」、ラグジュアリー・サルーン「XJ」、ジャガー初のパフォーマンスSUV「F-PACE」、コンパクト・パフォーマンスSUV「E-PACE」、そして最近では、今年の4月に「ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー2019」、「ワールド・カー・デザイン・オブ・ザ・イヤー2019」、「ワールド・グリーン・カー・オブ・ザ・イヤー2019」などの名誉ある賞に選出された、初のフルバッテリー電気自動車(BEV)「I-PACE」があります。
イアン・カラムは次のように述べています。
「私はジャガーでとてつもなく素晴らしいキャリアを積むことができました。私のキャリアのなかで最も印象に残っている仕事のなかに、『XF』のデザインがあります。この『XF』によって、これまでの伝統的なデザインからコンテンポラリーなデザインへと刷新させることができ、ジャガーにとって新しい時代の幕開けとなり、これは大きな転機でもありました。『F-TYPE』は私の夢を実現させてくれましたし、『I-PACE』によってこれまでのジャガーのイメージを完全に覆す革新的なデザインを生み出すことができました。
私には、ジャガーとしてふさわしいデザインを取り戻すというミッションが課されており、20年の歳月をかけてやり遂げることができたと自負しています。ジャガーのプロダクトとデザイン・チームは力をつけ成長してくれました。今こそが、私個人としても、デザイナーとしても、次なるステップに進み、新たなデザイン・プロジェクトを模索するべきタイミングだと感じたのです。私にとってジャガーのクルマをデザインするということは生涯をかけた夢でした。今後もジャガー・ブランドのコンサルタントとしてジャガーに携わることができとても光栄です。ジュリアン・トムソンとは18年にわたって共に働いてきました。ジュリアンは才能あふれるデザイナーですし、ジャガーのデザインをリードし、未来を切り開いてくれるのにふさわしい人物です。」
イアンのデザイナーとしてのキャリアはフォード・デザイン・スタジオからスタートし、12年間在籍しました。その後、TWRデザインのチーフ・デザイナーとして、Aston Martinの「DB7」、「Vanquish」、そして「DB9」などのデザインを手がけ、才能あるカー・デザイナーのひとりとして世界に広く知られるようになります。2005年には、英国ロイヤル・ソサエティ・オブ・アーツ(RSA)より、「Royal Designer for Industry」に選ばれ、2014年にはこれまでの自動車デザインへの貢献に対して、Chartered Society of Designers(デザイナー公認協会)より、最も栄誉あるミネルバ・メダルが授与されました。
ジャガー・ランドローバーの最高経営責任者(CEO)、ラルフ・スペッツ博士は、次のように述べています。
「業界をリードするジャガー・デザインを確立してくれたイアン・カラムの功績は、賞賛してもしきれません。
最も進歩的で既存のルールにとらわれず、そして感性に訴えかけるようなデザインを生み出してきた彼に敬意を表したいと思います。彼がジャガーの新しいデザイン言語を創造し、彼のジャガーに対する情熱が、この20年間で手がけてきたプロダクトたちにも息づいています。
イアンがデザインしてきたモデルたちは、革新的で美しく、未来的でありながら、パイオニア精神にあふれたジャガーのヘリテージにも忠実で、これは彼の献身的な取り組みの証なのです。彼がデザインを手がけたどのモデルにも、彼の足跡が見て取れます。私としては、ワールド・カー・デザイン・オブ・ザ・イヤーを獲得した革新的な3つのモデル『F-TYPE』、『F-PACE』、『I-PACE』は、彼が成し遂げた最大の偉業だと思っています。これらのモデルは、今後もジャガーを象徴するアイコンであり続けるでしょう。
私個人としても、CEOとしても、イアンのこれまでの貢献に心から感謝の意を伝えたいです。そして今後もデザイン・コンサルタントとして、ブランド・アンバサダーであり続けてくれることを大変喜ばしく思います。
そして、今後ジャガーのデザイン・ディレクターを引き継ぐジュリアン・トムソンを歓迎します。ジュリアンのチームが、ジャガーの新時代を築いていってくれるでしょう。これからはジュリアンが、世界の自動車デザインをリードするブランドとして、ジャガーを導いてくれます。ジャガーの未来がとても楽しみです。」
ジュリアン・トムソンは、ジャガーのクリエイティブ・デザイン・ディレクターとして、将来のジャガー・ブランドの方向性を担うデザイン戦略を指揮してきました。2000年にジャガーに入社して以来、現行ラインアップ全てのデザイン・コンセプトの開発を統括しています。英国ダントンにあるフォード社で自動車業界のキャリアをスタートさせ、その後ロータス・デザイン社でデザイン責任者を務めた後、フォルクスワーゲングループのコンセプト・デザイン・センターでエクステリア・デザインの責任者を歴任しました。
ジュリアン・トムソンは次のように述べています。
「ジャガーのデザイン・ディレクターに任命され、とても誇りに思います。才能にあふれたチームを率いることや、これまでの成功を引き継いでいくことができるのは名誉なことです。自動車デザインは常に進化しており、そのスピードはこれまで以上に加速しています。こうした変革をジャガーがリードし、未来を担うクルマのデザインを目指し、情熱をもって取り組んでいきます。」
イアン・カラムが手がけたクルマ
1984 Ford RS200 Rally Car
1989 Ford Ghia Via concept
1989 Ford Escort Cosworth
1993 Aston Martin DB7
1996 Volvo C70
1997 Ford Puma
1997/8 Nissan R390 GT1 Le Mans
1998/2001 Aston Martin Vanquish / Project Vantage
2000 Aston Martin AM305
2001 Jaguar R Coupe Concept
2003 Aston Martin DB9
2003 Jaguar RD6 Concept
2005 Jaguar XK
2007 Jaguar XF / CXF / Sportbrake
2009 Jaguar XJ
2010 Jaguar C-X75 Concept
2012 Jaguar F-TYPE Convertible
2013 Jaguar F-TYPE (C-X16)
2014 Jaguar XE
2015 Jaguar F-PACE (C-X17)
2017 Jaguar E-PACE
2018 Jaguar I-PACE (I-PACE Concept)
※本プレスリリースはジャガー・ランドローバーが2019年6月4日(現地時間)に発表したプレスリリースの抄訳です。
以上
エディターズノート
ジャガーについて
ジャガーは、その80年以上にわたる歴史において、そのエレガントなデザインと息をのむようなパフォーマンスで世界中のお客様を刺激し、運転することの楽しさや喜びを提供してきました。グローバルに展開しているジャガーのラインアップは、数々の賞を受賞し高い評価を受けているスポーツ・サルーン「XE」、ダイナミック・ラグジュアリー・サルーン「XF」、ラグジュアリー・サルーン「XJ」、ピュア・スポーツカー「F-TYPE」、ジャガー史上最速ペースで販売台数を伸ばしているパフォーマンスSUV「F-PACE」、コンパクト・パフォーマンスSUV「E-PACE」、そして、ジャガーをEV革命の最前線へと飛躍させるモデル「I-PACE」です。
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