※本プレスリリースはジャガー・ランドローバー社が2012年3月27日に発表したプレスリリースの日本語訳です。
2012年3月30日
(日本語訳発行日)
2012年3月27日
黒海沿岸にある旧ソ連時代の地下秘密基地。冷戦時代は極秘の機密事項だった地下トンネルを、「ランドローバー ディスカバリー」が駆けぬけます。
1953年、ヨシフ・スターリンの命令で原子力潜水艦の収容施設が極秘で建設されることになりました。のちにそこはソ連海軍黒海艦隊の基地となります。
クリミア半島沿岸に位置するウクライナの港町バラクラヴァにある山のふもとに、9年かけて建設された広さ15,300平方フィート(1,421平方メートル)の地下基地は、どんな偵察機にも発見されないよう入口がカモフラージュされています。基地は核兵器の直撃にも耐えられる堅牢な構造で、3,000人を収容して1カ月生活できるだけの物資が備蓄されていました。最大の特徴は、潜水艦がその姿を見られることなく、水中航行のまま基地を出発したり、帰還できたりすることでした。
冷戦時代秘密のベールに包まれ、厳重な警戒下にあった潜水艦基地ですが、ソ連が崩壊した現在は博物館になっています。北京をめざして8,000マイルを走破する「ジャーニー・オブ・ディスカバリー」では、迷路のような地下トンネルを「ランドローバー ディスカバリー4」で走行する希有な機会が与えられました。軍事基地だったころは、40年にわたってトラックやトレーラーがミサイルや物資を運んでいましたが、ここを自動車が走るのはそれ以来初めてです。
岩山をくり抜いた入口は洞窟さながらで、そこを車で入っていくのはジェームズ・ボンドになった気分です。しかしその先に広がっていたのは、スパイ映画と冷戦の現実が混然一体となった強烈な世界でした。
地元ガイドの説明によると、施設の中央には非常に長い潜水艦用水路が伸びていて、それを挟んで運営エリアと核弾頭着装エリアに分かれていたそうです。さらに彼女は、驚くべき話を披露してくれました。
彼女は5年間この基地に勤務し、最高機密より一段階下のレベル2の秘密までを扱える立場にありました。それでも当時は核弾頭エリアの存在はまったく知らされておらず、後年ガイドをするようになった初めて知ったそうです。
「自分に無関係なことは質問しない。それが私たちの文化だったのです。『知らないことが多いほうがよく眠れる』と誰もが言っていました。」
職員でさえ全貌を明らかにされていなかったほどの秘密です。この基地の存在については、国際社会にもひた隠しにされていました。バラクラヴァの地名は1957年にすべての地図から消され(復活したのは1992年)、かつては閉鎖都市で、立ち入りが厳しく制限されていたセヴァストポリに暮らす職員の家族も、綿密な身元調査に合格しないと面会の許可が降りないほどでした。
「ディスカバリー」がまず入ったのは運営エリアです。縦横に伸びる広いトンネルを走って到着したのは、全長300フィート(約90メートル)の潜水艦が十分な余裕を持って収容できるドックでした。
ドックの横を通る水路は、潜水艦6隻が横一列に並んで航行できるほどの幅です。基地内で爆発が起きた際の影響を軽減するためにカーブがかかっています。水路の両側には、頭の位置ほどの高さに鉄製の通路が設置してありました。最盛期にはここの黒い水に巨大な潜水艦か浮かび、殺伐とした空気のなかで、せわしなく行きかう足音や工具の金属音、発電機の低いうなりが響き渡っていたのでしょう。
水路をはさんだ反対側は、さらに興味をそそられます。こちらはミサイルを装着する場所で、爆発の影響を受けないようにトンネル自体が緩やかにカーブしています。
核弾頭が入っていた格納庫も残っていました。中は空っぽで、頑丈な鉄扉が少し開いていました。ソ連崩壊時に、当局が引き揚げたときのままなのでしょう。
そしていよいよ、地下基地の核心部であるミサイル保管庫に入っていきます。いまは何の変哲もない部屋ですが、かつては最高50基の核ミサイルがここに保管されていたと思うと、背筋が寒くなります。
おもしろいものがあると言ってガイドが指さした先を見ると、照明器具に似たプラスチック製の箱が壁に取りつけてあり、内部に1本の人毛が入っていました。この原始的な装置は湿度計です。基地内の湿度は60パーセントに保つ必要がありました。この数値を保っていないと核弾頭が爆発して、基地はおろかその上にある山までもが吹き飛び、周辺地域も破壊しつくされたでしょう。湿度の変化によって人毛が曲がったら、技術者たちは、あわてて空調を調節したのです。
私たちは見学を終えて外に出ました。太陽の光を受けるバラクラヴァの港は、地下基地とはまた別の意味で、印象深い風景です。
いまこの港に錨をおろしているのはソ連の黒海艦隊ではなく、世界中から集まった高級ヨットです。かつて潜水艦が浮上や潜航を繰り返していた水辺では、地元の人たちが釣り糸を垂れ、ビール片手におしゃべりを楽しんでいます。
この風景こそが、私たち人類が前進した何よりの証拠でしょう。
私たちの旅をぜひご覧になり、目標達成にご協力ください。
詳しくは
www.landrover.com/millionで。
以上