※本プレスリリースはジャガー・ランドローバー社が2012年4月3日に発表したプレスリリースの日本語訳です。
2012年4月6日
(日本語訳発行日)
L12U003
2012年4月3日
「ジャーニー・オブ・ディスカバリー」のチームは、カザフスタンとウズベキスタンの人里離れた砂漠地帯を走りました。過酷な自然のなかで、彼らは何を見つけたでしょうか。
アスファルト舗装が激しくゆがみ、轍が深く刻まれてぬかるんだ道路では、泥だらけのくたびれたトラックがはるか向こうまで数珠つなぎになっていました。これでは砂漠を走るしかないと、私たちは決断しました。
車高を最大に上げ、「泥/轍」モードを選択して、トラクション制御を解除することで、完全なオフロード設定にして、列の最後尾にいた私たちは道をはずれました。道路を走っているほうがたしかに安全ですが、標識も道もない砂漠をリスク覚悟で迂回することにしたのです。
ウズベキスタンとの国境まではまだ何マイルもありますが、あと1時間で閉鎖されるという噂が流れてきました。地元の人から聞いた話だと、国境通過には何と3日間も要するそうです。こうなるともう選択の余地はありません。
道路をはずれて走るうちに、乾いた深い砂地は柔らかい湿地へと変化していきます。午後の太陽はどんどん暗くなって、路面の状態を判断するのも難しく、慎重に車を走らせる必要があります。
バーミンガムから北京までの50日間の旅は、綿密な計画に基づいています。北京で開かれるモーターショーに、100万台目のランドローバー・ディスカバリーを展示する必要があるからです。もちろん国境通過に手間取ることは織りこんでいますが、3日もかかるのは予想外です。
「ランドローバー・ディスカバリー4」の性能に助けられ、砂漠をルートの国境越えは順調に進みました。カザフスタンからの出国手続きはすぐに終わりましたが、この地域の国境検問所では隣国からの入国に対して過剰なまでに神経をとがらせています。
ウズベキスタンがソ連邦から独立したのは1991年。ソビエト時代の過剰なまでの官僚主義こそ過去のものになりましたが、役所関係では堅苦しさが根強く残り、おいそれとは訪問できない国です。
カザフスタンの検問所に掲げられた看板には、「幸運を」とだけ書かれていました。その下に立って私たちに手を振った警備隊員は、一瞬ゆがんだ笑みを浮かべました。まるで「これからが悪夢だぞ」と言わんばかりに。
そして悪夢は現実のものとなりました。
冒険仕様のボディカラーで車体を飾ったイギリス登録の「ディスカバリー」が4台も国境を通過しようというのですから、目立たないはずがありません。乗員は10名で出身国は3か国にわたり、スペア部品や工具、無線や撮影用の機器を満載しています。辺鄙な土地では医療設備も期待できないため、薬局が開けそうなほど大量の処方薬を持った医師も同行していました。
国境検問所での厳しい検査は7時間に及び、日付も変わった深夜にようやく私たちはウズベキスタン入国を果たしました。
そして私たちは暗闇のなかを走りだしました。荒れくるう吹雪で視界はほぼゼロメートルです。砂漠地帯にはホテルと呼べるような施設は皆無なので、今夜はキャンプを設営して野宿するしかありません。テントを張る場所を探すのもひと苦労です。
凍りついたテントで一夜を明かす覚悟を決めたそのとき、過去にウズベキスタンを旅したことのある数名のメンバーが、自分たちは多少言葉もできるから、民家を訪ねてみようと言いだしました。
ウズベク人は旅人を暖かくもてなす習慣があり、ことに辺境地ではその伝統が強く残っているので、一夜の寝床を提供してくれるかもしれないというのです。
1時間後、私たちは一軒の質素な家に落ちついていました。れんがはひび割れ、はがれ落ちそうです。この家の住人は4人家族と犬が2匹。台所からおいしそうな匂いが漂ってきました。車を運転しない者には地酒のウォッカがふるまわれ、全員がお茶と夕食もごちそうになりました。夜の闇のなかで見たときはうら寂しい家でしたが、一歩中に入ると、これ以上ないほどの暖かいもてなしが待っていたのです。
数時間の睡眠を取ったあと、周囲の様子を確かめるために外に出ると、まだ吹雪が猛威を振るっていました。けれども熱いお茶を飲んで、快適な「ディスカバリー」のキャビンに身を置くと、ふたたび砂漠を走る元気が出てきました。
カザフスタンのときと同様、終日走りつづけた幹線道路もぬかるみや轍だらけで、苦労続きでした。けれども雪がおさまって太陽が顔をのぞかせると、周囲の砂漠が輝きながら姿を現わしました。道路脇にはラクダやヤギが点々と草をはみ、赤茶けたほこりっぽい風景にも暖かみが加わったようです。
夜にはアラル海に到達しました。かつては内海として世界第4の大きさを誇っていたアラル海ですが、現在は海岸線が40キロも後退し、水量も90%以上減ってしまいました。
かつては海に浮かんでいた船が、岸辺に並んで錆びついている様子は悲しくも美しい風景でした。その岸辺も、昔はまた海底だったのです。私たちは、どこまで見渡しても人影がまったくない海辺にキャンプを設営しました。この忘れがたく、魂の揺さぶられる場所で夕陽を眺めていると、人生で大切なものほど手を伸ばしても届かない、そんな痛切な思いが胸をよぎるのでした。
私たちの旅をぜひご覧になり、目標達成にご協力ください。
詳しくは
www.landrover.com/millionで。
以上
読者からの問い合わせ先:
ランドローバーコール(フリーダイヤル)0120-18-5568
この件に関する報道関係者からの問い合わせ先:
ジャガー・ランドローバー・ジャパン マーケティング・広報部 03-5470-4242
広報写真はジャガー・ランドローバー・ジャパン プレスサイトを
ご利用ください
https://pr.jlrj.jp/