※本プレスリリースはジャガー・ランドローバー社が2012 年4 月23日に発表したプレスリリースの日本語訳です。
2012年4 月23 日
(日本語訳発行日)
J12U002
概要
• ジャガーは2013MYで2つの過給機ガソリンエンジンを新たにラインアップに、3.0リッターV6スーパーチャージドエンジンと4気筒2.0リッターl4ターボチャージドエンジンの2種を追加します。これにより、世界の主要な市場での顧客の選択肢が広がります。
• 各エンジンに使用されているスーパーチャージャーとターボチャージャー技術は、ハイレベルなパワーとトルク出力を効率的に実現します。
• 3.0リッターV6スーパーチャージドエンジン(3.0 V6 S/C)は、受賞歴のあるジャガーの5.0リッターV8で使用されている主要技術に基づき、このエンジンの自然吸気タイプより大幅に高いパフォーマンスを達成しています。
• 3.0 V6 S/Cには、380PS/460Nmと340PS/450Nmの2種類の出力タイプがあります。
• 380PSの機種では、3.0 V6 S/Cはリッターあたり約127PSを生み出します。ジャガーのエンジン・ラインアップではリッター毎の最高効率出力となります。
• 3.0 V6 S/C 380はジャガーの次期新型スポーツカー、「Fタイプ」にのみ搭載され、340PSの機種は「XF」と「XJ」の両モデルにも搭載されます。
• 2.0リッターl4 Ti 240は、240PSと340Nmを生み出し、ジャガーの現行ラインアップの自然吸気型AJ-V6エンジンより優れたパフォーマンスを4気筒の経済性とともに提供します。
• 2.0リッターl4 Ti 240は、「XF」および「XJ」サルーンの3.0リッター自然吸気型ガソリンエンジンAJ-V6と置き換えられます。
• 8速オートマチックトランスミッションの滑らかなシフティングが、両エンジンの出力発揮に寄与します。
• 3.0 V6 S/Cは、ジャガーのIntelligent Stop-Startシステムとともに搭載されます。
2012年4月23日、北京発
はじめに
ジャガーは、新しい3.0リッターV6スーパーチャージドエンジンと2.0リッターl4ターボチャージドエンジンの2つのガソリンエンジンの導入により、主要なグローバルマーケットでの製品ラインアップを拡充し、より選択の幅を広げます。
ジャガーカーズのグローバル・ブランド・ディレクター、エイドリアン・ホールマークは次のように述べています。
「ジャガーの現在のラインアップは、ここ数十年で最強と言えるでしょう。当社の継続的な成長は2つの事由によって支えられています。それはブランドの認知度向上を促進させていることと、ラインアップの拡充で既存市場と新規市場の両方で新規顧客を取り込んでいることです。2つの過給機ガソリンエンジンの導入は、私たちの計画を達成するために欠かすことはできません。」
3.0 V6 S/Cガソリンエンジンは、ジャガーのパワートレイン技術陣が、受賞歴のある現行の5.0リッターV8エンジンをベースに開発しました。オール・アロイのこのエンジンは、ロングホイールベースのサルーンから時速300kmのコンバーチブルまで、幅広い用途で世界中で賞賛を集めています。3.0 V6 S/Cは、直噴、可変バルブタイミング、アルミニウム製など、V8の主要技術の多くを受け継ぎ、自然吸気V8エンジンに匹敵するレベルの洗練性とドライバビリティを提供するとともに、スーパーチャージャー技術による優れた出力と効率性を兼ね備えています。
340PS/450Nmの3.0 V6 S/Cは、ジャガーのサルーンに理想的な滑らかでシームレスなパ フォーマンスを提供します。一方380PS/460Nmは、ジャガーの次期新型スポーツカー、「Fタイプ」にふさわしい理屈抜きの興奮を提供します。どちらの出力タイプでも、3.0 V6 S/Cエンジンは、大排気量タイプのエンジンに匹敵するレベルのパフォーマンスを提供しながら、低燃費・低排出ガスを実現します。
2.0リッターl4ターボチャージドエンジンは、数々の最新技術の活用により、その排気量から想像される以上のパワーを生み出し、「XF」および「XJ」モデルへの導入では縦置とされます。240PSと340Nmは、低慣性ターボチャージャー、直噴、および吸気と排気の両カムシャフトの可変タイミングという3つの革新技術により生み出されます。
ジャガーカーズのパワートレイングループ・チーフ・エンジニア、ロン・リーは次のように述べています。「3.0 V6 S/Cと2.0 l4 Tiはどちらも過給機技術をインテリジェントに利用して、ハイスペックな出力を効率的に生み出すと同時に、ジャガーのすべてのエンジンに不可欠な要素である柔軟性、洗練性、快適性という魅力的な組み合わせを実現します。」
どちらのエンジンも、2012年モデルのジャガー(日本未導入ディーゼル・エンジン搭載モデルのみ)で導入された8速オートマチックギアボックスとの組み合わせにより幅広いエンジンスピードで円滑なシフティング、経済性、快適性の完璧なバランスをもたらします。また、3.0 V6 S/Cは、ジャガーのIntelligent Stop-Startシステムとともに搭載されます。
3.0リッターV6スーパーチャージドエンジン
ジャガーは、パワープラントから最高の効率性を引き出すために、スーパーチャージドインダクション技術分野のリーダーとしての地位を確立しました。現在、スーパーチャージャーはXKR-Sで最高の効果をもたらし、高く評価されている5.0リッターV8エンジンから550PSと680Nmを生み出しています。
ジャガーの新しい3.0 V6 S/Cの元となっているのも、受賞歴のある、この同じエンジンアーキテクチャであり、驚異的なXKR-Sよりさらに高いリッター毎出力の達成に貢献しています。このエンジンには用途に応じた2つの出力タイプが用意されています。380PS/460Nmはジャガーの次期新型スポーツカー「Fタイプ」にのみ搭載され、340PS/450Nmは「XF」および「XJ」サルーンのパワートレインラインアップにも加えられます。
新しい4カムV6は、V8と同じアルミニウム製で軽量なダイキャストブロックをクロスボルトメインベアリングキャップで補強して剛性と洗練性を高めました。4バルブシリンダーヘッドは、再生アルミニウムで作られています。
バルブ本体はデュアルインディペンデント可変カムタイミング(DIVCT)システムによって制御されています。このシステムは、吸気バルブと排気バルブの動きによって生成されたプラスとマイナスのトルクで作動します。可変タイミングシステムは回転範囲全体にわたり毎秒150度以上のアクチュエーションレートを特長とし、全速度における最適なパワー、トルク、経済性を実現します。
スプレーガイド式直噴システム(SGDI)が応答性と途切れないパワー供給を可能にしています。正確に計量された量の燃料が最大150バールの圧力で燃焼室の中心に直接送り込まれます。燃料は1回の燃焼サイクルで数回にわたって噴射され、より均一な混合気を作りだし、クリーンで効率的な燃焼を可能にします。
これを支えているのは、スパークプラグをインジェクターと燃焼室のどちらに対しても最適な向きに設置するという、このエンジンで初めて採用された新技術です。圧縮比も、スーパーチャージドV8の9.5:1から10.5:1に高まり、燃費がさらに向上し、排出ガスがさらに低減されます。
シリンダーバンクの間にマウントされているのは新世代のルーツ式ツインボルテックス・スーパーチャージャーであり、これが3.0 V6 S/Cのハイスペックな出力と効率性の鍵となります。V8で使用されているモデルよりさらにコンパクトになった水冷インタークーラーは、吸気温度を下げて、パワーと効率性を最適化します。3.0 V6 S/Cの新機能であるスーパーチャージャー・ブーストコントロールは、新しいBosch社製エンジンマネジメントソフトウェアによって電子制御され、最大20パーセント効率性を高めます。
3.0 V6 S/Cの設計におけるエンジニアリング特性により、ハードウェアや付属品に手を加えることなくFタイプ専用機種の高いパワーとトルク実現を可能にします。この高出力チューニングにおいて、3.0 V6 S/Cは従来のどのジャガー・エンジンよりも高効率のパワー出力であるリッターあたり127PSを生み出します。スーパーチャージャーとスロットルの電子的バイパスの調整によって達成され、エミッションレベルに影響を与えずに、ブーストを高めます。
新しい3.0 V6 S/Cエンジンの開発にあたり、当社のエンジニアは反回転フロント/リアバランサーウエイトという革新技術を利用して、大排気量V8と同様の滑らかさと精緻さを達成しました。
3.0 V6 S/Cパワートレインに組み合わされているのは、ZF社製をジャガーがチューンアップした8速オートマチックトランスミッションです。このトランスミッションの幅広いギア比により、エンジンの卓越したパワーを活かしきると同時に、経済性とエミッションを最適化します。エンジンとジャガーのIntelligent Stop-Startシステムとの親和性も効率性の向上に貢献しています。このシステムは、EU複合サイクルで最大7パーセントの燃費を高めます。このシステムはツインソレノイドスターターを使用しているため、ドライバーがブレーキからアクセルに足を動かすのにかかる時間より短い時間でエンジンを再スタートできるほか、エンジンの回転数が落ち始めた時点でドライバーが加速へ意志を変更したような場合にも、燃料をシリンダーにすばやく噴射して、エンジンを再活性化できます。
「XF」では、3.0 V6 S/Cは2013年モデルイヤーにすべての市場で現在ラインアップされている自然吸気5.0リッターV8にかわって搭載されます。「XJ」においては、3.0 V6 S/Cが2013年モデルイヤーに大半の市場で自然吸気版5.0リッターV8にかわってラインアップされます。各モデルの経済性とエミッションの具体的な数字は市場別に発表されます。
2.0リッターl4 240ターボチャージドエンジン
ジャガーの「XF」および「XJ」サルーンへの2.0 I4 Ti 240エンジンの導入は、規制強化と、それに伴い同様に高まっている顧客の需要に応えるためです。「XF」および「XJ」では2.0 I4 Ti 240が縦置きされ、3.0 V6 S/Cで使用されるのと同様に円滑なシフティングを実現する8速トランスミッションが組み合わされます。ここでも、このトランスミッションの幅広いギア比がパフォーマンスと効率性の両方を最大化しています。
5,500回転で240PSというリッターあたり120PSの高出力と1,800~4,000rpmで340Nmのトルクを生みだす2.0 I4 Ti 240エンジンは、柔軟な走りを実現するとともに、コンパクトなアルミニウム構造により、搭載時重量138kgとなるジャガーのエンジン群で最も軽量なエンジンです。このコンパクトさがダイナミックな俊敏性を高めると同時に、自明の理としてエミッションと経済性にも貢献します。
2.0 I4 Ti 240は力強い走り、精緻さ、魂を揺さぶる個性という真のジャガー品質のすべてを備えたエンジンであり、同レベルのパワーを生み出すために従来必要だった大容量のマルチシリンダーエンジンよりはるかに優れた効率性をも備えています。たとえば、2.0 I4 Ti 240のピークトルクは、10年前のジャガーの3.2リッター自然吸気V8を超えています。
低慣性ターボチャージャーを採用することで、2.0 I4 Ti 240は小排気量ながらハイスペックなパワーとトルク出力を生み出すことに成功しました。2.0 I4 Ti 240のターボチャージャーに燃料を供給するのは、軽量薄型のエグゾーストマニフォールドであり、これがエンジンの暖気時間を短縮し、エミッションをさらに低減します。
求められる力強いユーザビリティ特性を提供するために、チェーン駆動可変タイミングが吸気と排気の両方のバルブに適用され、幅広いトルクを最適化し、力強いボトムエンド性能と傑出したドライバビリティを実現します。
当初から効率性の向上を目標として設計されたこのエンジンは、ピストンリングとタペットに特殊コーティングを施して、不要な内部摩擦を軽減しています。これと同じ考え方で、非常に精密に制御されるダイレクトインジェクション技術が採用されました。燃料は、正確に計量された量が各燃料サイクルで数回にわたって噴射され、最も効率的な燃焼を可能にし、パワー生成の点でも、燃料消費と排気低減化の点についても最大のメリットをもたらします。
ツインバランサーシャフトの利用によりジャガーに要求される円滑さと洗練性が達成され、また、期待されるレベルの精緻さを確保するためにいくつかの処置が施されました。中でも、アクティブエンジンマウント、アコースティックカバー、高密度フォームの使用により、騒音と振動がさらに低減されます。
2.0 I4 Ti 240エンジンの導入は、グローバル市場でのお客様の需要に応えるための鍵であり、現行モデルで「XF」と「XJ」に搭載されている自然吸気のジャガー3.0リッターAJV6エンジンは、2.0 I4 Ti 240エンジンに変更されます。
技術仕様
3.0リッターV6 340 スーパーチャージド・ガソリンエンジン
エンジンタイプ: V型6気筒スーパーチャージド
総排気量(cc): 2,995
内径x行程 (mm): 84.5/89
最高出力 (PS@rpm): 340@6,500
最大トルク (Nm@rpm): 450/332@1,800-4,000rpm
0-60mph加速 (秒): 5.7 (XFおよびXJ)*
0-100kph加速(秒):5.9 (XFおよびXJ)*
最高速度 (mph): 155mph (リミッター付きXFおよびXJ)*
3.0リッターV6 380 スーパーチャージド・ガソリンエンジン (Fタイプ専用)
エンジンタイプ: V型6気筒スーパーチャージド
総排気量(cc): 2,995
内径x行程 (mm): 84.5/89
最高出力 (PS@rpm): 380@6,500
最大トルク (Nm@rpm): 460/339@1,800-4,000rpm
0-60mph加速 (秒): 未測定
0-100kph加速(秒):未測定
最高速度 (mph): 未測定
2.0リッターI4 240 ターボチャージド・ガソリンエンジン
エンジンタイプ: 直列4気筒ターボチャージャー
総排気量(cc): 1999
内径x行程 (mm): 87.5/83.1
最高出力 (PS@rpm): 240@5500
最大トルク (Nm@rpm): 340/251@1800-4,000
0-60mph加速 (秒): 7.5 (XFおよびXJ)*
0-100kph加速(秒):7.9 (XFおよびXJ)*
最高速度 (mph): 150 (XFおよびXJ)*
*プレスリリース発表時メーカー推定値。
以上
本件に関する読者からの問い合わせ先は
ジャガーコール0120-050-689
(土・日・祝日を除く 9:00~18:00)をご掲載ください
本件に関する報道関係の方のお問い合わせ先は、
03-5470-4242 (ジャガー・ランドローバー・ジャパン広報グループ代表)です。
ジャガーオフィシャルWEBサイトのURLは、
www.jaguar.com/jpです。
広報写真はジャガー・ランドローバー・ジャパン プレスサイトをご利用ください
https://pr.jlrj.jp/