■新型ジャガー「I-TYPE 6」は、ABB FIAフォーミュラE世界選手権シーズン9に参戦するために設計・開発した、ジャガー史上最も先進的で、高効率な最新の電気自動車のレースカー
■より軽量でパワフルかつ高速の「I-TYPE 6」は、最高速度200mphを発揮し、新たなパフォーマンスのベンチマークを打ち立てる
■「I-TYPE 6」には極めて強力な回生ブレーキを装備し、従来のリアブレーキは非装着
■「I-TYPE 6」から得られた技術資産は、2025年からフルバッテリー電気自動車(BEV)のモダンラグジュアリーブランドとして生まれ変わる将来のジャガーに活用
■ジャガーのクリエイティブチームが制作した全く新しい左右非対称のカラーリングは、ドライバーにとってもユニークな車両であり、「Gen3」時代の個性溢れる新しいアイデンティティを示唆
■昨シーズン、ジャガーTCSレーシングは、フォーミュラEにおいて、過去最高のポイントを獲得。ミッチ・エバンスとサム・バードが引き続きチームを牽引
■ジャガーTCSレーシングは、サステナビリティに対してコミットメントしており、FIA環境認証において最高ランクの3つ星を獲得
■新シーズンでは、Wolfspeedがオフィシャルパワーセミコンダクターパートナーとしてチームをサポート
■ジャガーTCSレーシングは、2023年1月14日、メキシコシティでの開幕戦を皮切りに、12都市17レースに出走予定
2022年11月30日 英国 ロンドン発 : ジャガーTCSレーシングは、革新的なフルバッテリー電気自動車(BEV)のモータースポーツカテゴリーが第3世代(Gen3)時代へと移行するABB FIAフォーミュラE世界選手権シーズン9に向けて、設計、開発したレースカー、「I-TYPE 6」を発表しました。
「I-TYPE 6」は、ジャガー史上最も先進的で高効率なBEVのレースカーです。フォーミュラEレースカーとしては初めてフロントとリアの両方にパワートレインを装備しており、フロントには250kW、リアには350kWの回生装置を追加し、現在のGen2モデルの2倍以上の回生能力を実現しているため、従来のリアブレーキを搭載していません。
2023年1月に開幕するフォーミュラEの Gen3では、より高速で、エキサイティングな緊迫したレースが、世界中の市街地サーキットで繰り広げられます。最新鋭の技術を駆使した「I-TYPE6」は、従来から74kgの軽量化と100kWの出力向上により、最高速度は200mphにまで到達し、新しいパフォーマンスのベンチマークを打ち立てます。
ジャガーTCSレーシングは、独自の新しいアイデンティティでシーズン9へ挑みます。「I-TYPE 6」の左右非対称デザインを引き立たせる、カーボンブラック、サテンホワイト、洗練されたゴールドアクセントを施した魅力的なカラーリングを採用し、ミッチ・エバンスとサム・バードのためのユニークな2台を用意します。フォーミュラEでは他チームに見られないことですが、ジャガーのドライバーラインアップは、3年連続で変更なく、一貫性を保っています。
次世代のフォーミュラ E は、ジャガーTCSレーシングとジャガー・ランドローバーにとって、引き続き現実世界のテストベッドとなります。チームがフォーミュラEでの成功を目指し、最先端の技術を開発、イノベーションを実現するなかで、電動パワートレイン、サステナビリティ、ソフトウェア技術に関する、重要なフィードバックを、レースカーからロードカーへ反映していきます。
「I-TYPE 6」から得られたイノベーションと技術資産は、2025年からのBEVのモダンラグジュアリーブランドとして生まれ変わるジャガーの未来に直接つながります。世界でも最もサステナブルなレースカーで、ゼロエミッションのモータースポーツカテゴリーに参戦することは、ジャガー・ランドローバーが推し進める「REIMAGINE」戦略の一環であり、2039年までに車両からの排出ガスをゼロにし、サプライチェーン、製品、および事業全体でカーボン・ネット・ゼロ(温室効果ガス排出量ゼロ)の実現に寄与します。
ジャガーTCSレーシングは、FIAの環境認証で最高ランクである3つ星を取得し、シーズン9を迎えます。これは、チームが環境管理におけるベストプラクティスとコミットメントを行っていることを実証すると同時に、既存のプロセスを改善するための継続的な努力を行っていることを証明するものです。
シーズン9に先立ち、Wolfspeedがオフィシャルパワーセミコンダクターパートナーとしてチームに参加します。このパートナーシップは、2017年から続く既存の協力関係を発展させたもので、先進のシリコンカーバイド(SiC)技術をレースコース上で効率とパフォーマンスを向上させるために使用してきました。ジャガー・ランドローバーも、Wolfspeedとの戦略的パートナーシップを発表し、次世代のBEVインバーター向けSiC半導体技術の供給を確保しました。いずれのパートナーシップも、特に効率性を重視し、レースカーからロードカーへの技術と知識の反映をサポートするものです。
Micro Focusはこれまで2年間の協力関係を築いてきましたが、新たにオフィシャルテクニカルパートナーとしての関係を更新しました。IDOLやVertica Analytics Platformなどの世界クラスのソフトウェアとサービスがチーム運営に組み込まれることで、膨大な量のデータの収集、処理を行い、レース中のより正確な予測と即時の判断を可能にするため、チームにとってさらなるポイント、表彰台、勝利の獲得につながります。
WolfspeedとMicro Focusは、複数年にわたるタイトルスポンサー契約を締結している世界的なITサービス、コンサルティング、およびビジネス ソリューション組織である、Tata Consultancy Services(TCS)と同様、既存の世界クラスのパートナーというポートフォリオに加わります。また、GKN Automotive、Dow、Castrol、さらにAlpinestarsとUncommonといったサプライヤーが、ジャガーTCSレーシングのパフォーマンスとイノベーションを追求するために連携していきます。
また、ジャガーが成功を収めた自社のパワートレイン技術を、英国を拠点とする提携先のエンヴィジョン・レーシングに提供する最初のシーズンとなり、グリッドにはジャガーのパワートレインを搭載した4台のフォーミュラEレースカーが並ぶことになります。
ジャガーTCSレーシングは2023年1月14日メキシコシティの開幕戦を皮切りに、12都市、17レースに出走します。
昨シーズン、ジャガーTCSレーシングはフォーミュラEで過去最高ポイントを獲得し、ミッチ・エバンスがドライバーズランキングにおいて2位で終了しましたが、この英国を本拠とするチームは、2023 年のタイトル獲得を目指し尽力しています。
ジャガーTCSレーシングのチーム・プリンシパルである、ジェームズ・バークレーのコメント:
「ジャガーTCSレーシングにとって、来シーズンに向けた発表の日は常に誇らしく、エキサイティングな瞬間ですがGen3を控えた今年はこれまで以上に大きな意味を持ちます。
シーズン9では、最新のレースカー『I-TYPE 6』とともにこれまでで最も競争力のあるスリリングな戦いをお見せできると思います。象徴的な都市が開催カレンダーに追加され、新たなチームデザインにより、車両もジャガーのモダンラグジュアリーのビジョンと調和する芸術作品へと変貌を遂げました。ジャガーのオフィシャルパワーセミコンダクターパートナーとして、Wolfspeedをチームに迎えられることを非常に嬉しく思っています。SiC技術における専門知識は、ジャガーのパワートレインのパフォーマンスにおいて、極めて重要な役割を果たします。
タイトルパートナーであるTata Consultancy Servicesは、新規および既存の組織とともに、それぞれがチームをサポートし、サステナブルな技術を加速するために専門技術を提供する、きわめて優れたパートナーのポートフォリオを保有しています。
フォーミュラEに参戦して7シーズン目を迎えるにあたり、チームとしての成果を振り返りました。ジャガー TCSレーシングは、レースコースにおける成功を超えて果たすべき重要な役割を担っており、2025年からジャガーがBEVブランドとして生まれ変わることを支えていくということを大変誇りに思います。
昨シーズンの戦績は極めてすばらしく、過去最高のポイントを獲得しましたが、私たちはさらによい結果を出せるはずです。そのために戦っているのです。私たちには、『I-TYPE 6』と優秀なチームがあり、今シーズンの結果を楽しみにしています」
ドライバー、ミッチ・エバンスのコメント:
「昨シーズンはドライバーズランキングで2位になり、過去最高のシーズンでした。今シーズンはさらに良い結果を残したいと思っています。
新しい 『I-TYPE 6』は、さらにパワーとスピードが進化し、戦闘力が大きく向上しています。私たちは、これを最大限活用できるように日々努力を続けています。フォーミュラEはきわめて競争の激しいカテゴリーですが、1月から始まるシーズンが待ちどおしく、ドライバーとしてもチームとしても世界選手権を制覇するために戦います。」
ドライバー、サム・バードのコメント:
「昨シーズンは好不調の波が大きく、ケガもあってシーズンを最終戦まで戦うことができませんでした。シーズンオフの期間にリセットし、さらにパワーアップして戻ってきます。チームのためにこれまで以上にハングリーに挑戦します。私たちはあらゆる努力をしてきました。3年目のシーズンに、私たちの姿をお見せできるのを本当に楽しみにしています。」
以上
※本プレスリリースはジャガー・ランドローバーが2022年11月30日(現地時間)に発表したプレスリリースの抄訳です。
エディターズ・ノート
ジャガーTCSレーシングについて
ジャガーは2016年10月にモータースポーツ界に復帰し、電気自動車(BEV)によるレーシング・シリーズ、ABB FIA フォーミュラE選手権に参戦した、最初のプレミアム自動車メーカーとなりました。 フォーミュラEシーズン7では、チーム・ランキングで2位を獲得し、これはジャガーのフォーミュラE史上過去最高の成功となりました。
フォーミュラEは、2025年からピュアEVのラグジュアリー・ブランドとなることを目指すジャガーの現実世界におけるテストベッドです。ジャガーTCSレーシングは、ジャガー・ランドローバーの「REIMAGINE」戦略をサポートするため、新しいサステナブル(持続可能)なテクノロジーを提供し、品質における新しい基準を作り出します。
ジャガーTCSレーシングの目標は、「Reimagine Racing(レースの再構築)」であり、テスト、開発、学習、協力、共有を行い、ジャガー・ランドローバー全体へ知見を共有することで、将来の市ロードカー開発に役立てることです。特に、フォーミュラEで培った知見と技術の移転は、ジャガーブランドの再構築に役立ち、フォーミュラE Gen3時代へのコミットメントと合致します。
2023年は、ジャガーチームが世界初の排出ガス実質ゼロのレースカーであるGen3カーによってレースを行う初めての年となります。
フォーミュラEのオフィシャル・マニュファクチャラー・チームとして、ジャガーTCSレーシングは、モーター、トランスミッション、インバーター、リア・サスペンションを含むパワートレインを独自設計しています。ジャガーはフォーミュラEの長期的なテクニカルパートナーであるウィリアムズ・アドバンスド・エンジニアリングを通じて、エンヴィジョン・レーシングにGen3のパワートレインを供給します。コストを抑えるため、カーボン・ファイバー・シャシーとバッテリーは、全11チーム共通となっています。これにより、効率的で軽量なパワートレインの開発に焦点を絞ることができ、未来のジャガー・ランドローバーのBEVのパフォーマンスと航続距離の向上につながります。各チームは、ドライバー1人につき1台、計2台のレースカーを用意し、1レースを戦います。フォーミュラEは、BEVによるレースというコンセプトに加え、モータースポーツの世界においては開催地の選定もユニークです。2023年選手権は、メキシコシティ、ディルイーヤ、ローマなど世界の主要都市の中心部にある特設の市街地サーキットで開催されるとともにハイデラバード、ケープタウン、サンパウロなど、新たに追加される場所もあります。シーズンの締めくくりは、ロンドンで週末に行われるダブルヘッダーとなります。
2022年、ジャガーTCSレーシングは、表彰台7回、優勝4回、ポールポジション1回、最速ラップ1回で、231 ポイント(ジャガーチーム過去最高)を獲得し、チーム・ランキングは4位で終了しました。ニュージーランド出身のミッチ・エバンスは昨シーズンを2位で終了し、サム・バードはドライバーズランキング総合13位で終了しました。
フォーミュラEは引き続き、ジャガー・ランドローバーの「REIMAGINE」戦略の実現に向けた最重要事項です。電気自動車による唯一のチャンピオンシップであるフォーミュラEを通して、ジャガーはハイパフォーマンスが求められる環境で新たなBEVテクノロジーをテストし、開発しています。レースは、「Race to Innovate(イノベーションのためのレーシング)」をブランドミッションに掲げるジャガーにとってテストベッドであり続け、電動化の未来を形作るために、レースで得た知識や経験をロードカーへ(Race to Road)、そしてロードカーからレースへ(Road to Race)と相互に役立てることができます。それこそがジャガーが情熱を傾けて目指している未来であり、社会貢献、モビリティの変容、サステナビリティ、そしてお客様のためにその実現に懸命に取り組んでいます。
ジャガーTCSレーシングは、Race to Inspire(レースでインスピレーションを)のミッションを通じ、レースプログラムを使用して未来の世代にインスピレーションを与え、地球やジャガーがレースするコミュニティにプラスの影響を与えることに取り組んでいます。世界初の排出ガス実質ゼロのレーシングマシンによる競技から、次世代のエンジニアやモータースポーツ専門技術者のサポートとトレーニングまで、様々な活動を行っています。
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