2024年12月9日
2024/2025 ABB FIAフォーミュラE世界選手権の開幕戦、サンパウロE-Prix
JAGUAR TCS RACINGのミッチ・エバンスが劇的勝利
■2023/2024シーズンのチーム・チャンピオンシップを制したJAGUAR TCS RACINGのミッチ・エバンスは、ABB FIAフォーミュラE世界選手権 2024/2025シーズンの開幕戦であるサンパウロE-Prixにおいて、最後尾の22番グリッドから劇的な追いあげをみせ優勝を獲得
■ミッチ・エバンスは、フォーミュラE世界選手権において最後尾スタートから優勝した初のドライバーとして歴史に名を刻む
■ミッチ・エバンスは、ルーカス・ディ・グラッシ、セバスチャン・ブエミと並び、フォーミュラE史上最多勝利数13を達成したドライバーに
■35周のレースで2度の赤旗中断という波乱の展開となったシーズン11の開幕戦を勝利により、ミッチ・エバンスはドライバーズ・ランキングでトップに
■JAGUAR TCS RACINGのニック・キャシディも表彰台争いに加わっていたが、マキシミリアン・ギュンター(DS PENSKE)とパスカル・ウェーレイン(TAG HEUER PORSCHE FORMULA E TEAM)との接触でサスペンションにダメージを負い、リタイアを余儀なくされた
2024年12月8日 、ブラジル・サンパウロ発: ABB FIAフォーミュラE世界選手権 2024/2025シーズンは、とてもスリリングな幕開けとなりました。ミッチ・エバンスが最後尾の22番グリッドからのスタートにもかかわらず優勝を果たし、 JAGUAR TCS RACINGは見事なカムバックを飾りました。
JAGUAR TCS RACINGで13回目の優勝を果たしたミッチ・エバンスは、フォーミュラE選手権史上初めて最後尾グリッドからのスタートでレースを制したドライバーとなりました。また、2014年にフォーミュラE選手権が始まって以来、ルーカス・ディ・グラッシ、セバスチャン・ブエミと並んで最多勝利ドライバーとなりました。
今シーズン初のクオリファイセッションは苦戦を強いられ、ニック・キャシディがわずか0.1秒差でデュエル進出を逃し10番手、ミッチ・エバンスはテクニカルトラブルによりグループ B でラップタイムを記録することができず、最後尾の 22 番手からのスタートとなりました。
スタート直後、新しい全輪駆動システムの導入により両ドライバーとも好調な走りだしで、ニック・キャシディは順位を1 つあげ、ミッチ・エバンスはターン 4 で 5 台を抜き去って 15 番手にまで順位をあげました。3 周目にセーフティカーが導入されましたが、両ドライバーは引き続き力強い走りでラップを刻み続けました。レース序盤にアタックモードを駆使して順位をあげたニック・キャシディは、8 周目にトップに立ち、ミッチ・エバンスはレース中盤には 3 位まで追いあげていました。
21 周目に赤旗が振られ、レースは一時中断となり全ドライバーがピットレーンに戻りました。再スタート後、ニック・キャシディは 6 位、ミッチ・エバンスは 10 位につけます。2 回目のアタックモードを残していたニック・キャシディは すぐに順位をあげてトップに迫り、28 周目にオリバー・ローランド(NISSAN FORMULA E TEAM)がドライブスルー ペナルティでピットインするとトップの座を奪還しました。この時点でミッチ・エバンスは 2 位にジャンプアップしており、JAGUAR TCS RACINGの1-2 体制となります。その後、2 回目のアタックモードを残していたミッチ・エバンスがニック・キャシディを追い抜いて トップに立ちました。
コース上での激しい上位争いが繰り広げられるなか、ニック・キャシディはマキシミリアン ・ギュンター(DS PENSKE)とパスカル・ウェーレイン(TAG HEUER PORSCHE FORMULA E TEAM)の間に挟まれ、その衝撃で「I-TYPE 7」のステアリングが壊れてしまいました。サイド・バイ・サイドの攻防が続くなか、次のコーナーでもさらなる衝突を避けられずパスカル・ウェーレインのマシンが横転する事態となり、再び赤旗が振られることになりました。
レースが再開されると、JAGUAR TCS RACINGのメカニックの素晴らしい努力により、ニック・キャシディは 15 位でレースに復帰することができましたが、残り 1 周でリタイアを余儀なくされてしまいました。
首位で再スタートしたミッチ・エバンスは、非常に緊迫したラスト 4 周の攻防でポジションを守りきり、JAGUAR TCS RACINGにサンパウロでの 2 度目の勝利をもたらしました。
JAGUAR TCS RACINGチーム・プリンシパルを務めるジェームズ・バークレーのコメント:
「非常に緊迫したドラマチックなレースでした。まずはパスカルが怪我を負わなかったと聞いて安堵しています。彼が無傷だったことは最新のマシン GEN3 Evo の強さの証明であり、次のレースでの彼がベストを尽くせるよう祈っています。
そして、最後尾から追いあげて優勝したミッチとチームの偉業は、このレベルのモータースポーツにおいてはまさに信じられないことです。トラックと本拠地にいるチーム全員にとって、これは本当に素晴らしい、忘れられない瞬間です。まだやるべきことがたくさんあることもわかっています。『 I-TYPE 7』 のペースは明らかに優れていますが、その潜在能力を最大限に引き出すために懸命に取り組む必要があります。私たちはすでにメキシコに向けて、そこに注力しています。」
JAGUAR TCS RACINGドライバー、ミッチ・エバンス(#9)のコメント:
「まだ気持ちの整理がついていませんが、とてもクレイジーなレースでした。1 周目に 10 もポジションをあげて、すぐに上位争いに加わることができました。その後は確実にポイントを獲得すること、表彰台を目指して集中していましたが、優勝できたのは本当に信じられません。チームが僕を導いてくれ、僕たちは戦略をうまく実行することができました。JAGUAR TCS RACINGの全員に感謝します。そしてパスカルが無事であったことがなによりうれしいです。本当に素晴らしいレースでした。」
JAGUAR TCS RACINGドライバー、ニック・キャシディ(#37)のコメント:
「まずはパスカルが無事で安心しました。それが一番重要なことです。ハンドルが効かず、まるで助手席に乗っているような気分でした。アクシデントは彼にとっても僕にとっても残念なことですが、彼が無事だということが何よりもうれしいです。今日のレースでは昨年の教訓を生かし、これまでとは違う方法でアプローチしましたが、それがうまくいったと思います。僕のマシンには新しいスタッフが加わり、本当に堅実な仕事をしてくれ僕たちを再び優位に立たせてくれたことに感謝します。」
ミッチ・エバンスは25ポイントでドライバーズ・ランキングをリードし、チームメイトのニック・キャシディは16位、JAGUAR TCS RACINGはチーム・ランキングで2位につけています。
ABB FIAフォーミュラE世界選手権シーズン11の第2戦は、2025年1月11日(現地時間)にメキシコシティで開催されます。
※本プレスリリースはジャガー・ランドローバーが2024年12月8日(現地時間)に発表したプレスリリースの翻訳です。
以上
エディターズ・ノート
JAGUAR TCS RACINGについて
JAGUARは2016年10月にモータースポーツ界に復帰し、電気自動車によるレーシング・シリーズ、ABB FIA フォーミュラE選手権に参戦した、最初のプレミアム自動車メーカーとなりました。
2024年、JAGUAR TCS RACINGがABB FIAフォーミュラEのチーム・チャンピオンシップを獲得し、JAGUARにとって1991年以来となる世界選手権制覇を達成しました。また、JAGUARはGEN3時代のフォーミュラEレーシングマシンである「I-TYPE 6」で、新設されたマニュファクチャラーズ・タイトルも獲得しました。
JAGUAR TCS RACINGのドライバーであるミッチ・エバンスとニック・キャシディは、2023/2024シーズンのドライバーズ・ランキングでそれぞれ2位と3位となり、フォーミュラEがGEN3 Evo時代へと移行するシーズン11にも、チームの一員として再び参戦します。シーズン11と12にまたがるGEN3 Evoでは、新しいパワートレインや、クオリファイセッションおよびレースの一部のフェーズで全輪駆動を採用するなど、世界唯一のネットカーボンゼロの電動レーシングマシンは、さらなる技術的進歩が見込まれています。
また、2026年にスタートするシーズン13-16のGEN4時代への継続参戦することを決定し、ABB FIAフォーミュラE世界選手権への長期的なコミットメントを表明しました。
フォーミュラEは、オール電動のコンセプトだけでなく、開催地の選択においてもモータースポーツ界ではユニークな存在です。2024/2025シーズンの世界選手権では、サンパウロ、ディルイーヤ、東京、モナコなど、世界の主要都市の中心部に作られる仮設のストリートサーキットで多くのイベントが開催される予定です。また、新たな開催地としてマイアミが加わり、シーズン最終戦は再びロンドンでダブルヘッダーのレースウィークエンドとして開催される予定です。
JAGUAR TCS RACINGはフォーミュラEの公式マニュファクチャラー・チームとして、モーター・ジェネレーター・ユニット、トランスミッション、インバーター、リア・サスペンションを含むパワートレインを独自設計しています。JAGUARは、フォーミュラEの長期的な技術パートナーであるフォーテスキューWAEを通じてENVISION RACINGにGEN3 Evoのパワートレインを供給します。
コストを抑えるため、カーボン・ファイバー・シャシーとバッテリーは、全11チーム共通となっています。これにより、効率的かつ軽量なパワートレインの開発に焦点を絞ることができ、未来のジャガー・ランドローバー(JLR)のフルバッテリー電気自動車(BEV)のパフォーマンスと航続距離の向上につながります。
フォーミュラEへの参戦は、JLRが掲げる「REIMAGINE」戦略の実現に向けた最重要事項であることに変わりはありません。フォーミュラEは電気自動車による世界選手権の最高峰であり、チームは高性能が求められる環境で新しいEVテクノロジーをテストして開発することができます。チームのミッション「Race to Innovate(イノベーションのためのレーシング)」のテストベッドであり続け、そこから得られる「Race to Road(レースで得た知識や経験を市販車へ)」、そして「Road to Race(市販車からレースへ)」と相互の学びによって、JAGUARのEVの未来を切り開いていくのに寄与します。
JAGUAR TCS RACINGは、「Race to Inspire」というミッションのもと、レースプログラムを通じて地球や地域社会にポジティブな影響を与えることで、未来の世代にインスピレーションを与えることを使命としています。世界初のネットカーボンレースカーでの競争から、次世代のエンジニアやモータースポーツの専門家のサポートやトレーニングまで、さまざまな活動を行っています。
Tata Consultancy Services (TCS)について
TCSは、56年以上にわたって数多くの世界最大規模のビジネスをデジタルに変革してきた、ITサービス、コンサルティング、ビジネスソリューションを提供する企業です。JLRの長年にわたる戦略的テクニカルパートナーであるTCSは、新しいテクノロジーを活用して、レースチームの電動化を促進し、レースで勝利して、より持続可能な未来を構築する活動をサポートしています。TCSはより良い未来の構築に取り組み、サーキットで得たノウハウを活用して、モビリティ・エコシステムを変革しています。タタ・グループの一員であるTCSは、世界中に61万2,000人を超えるコンサルタントを擁しています。
◆お問い合わせ先◆
ジャガーコール(フリーダイヤル)0120-050-689(9:00-18:00、土日祝日を除く)